働き方

ヒットの法則なんて幻想でしかない

投稿日:2016年11月14日 / by

なぜ「君の名は」ヒットしたのか

きょうはスーパームーン。関東はあいにくの空模様でレインスカイですが、昨日横浜でみた月はスーパームーンに近い大きさでしたよ。こんにちはノリスケです。先日、200億突破もみえてきた「君の名は」のヒットのヒミツを聞く機会がありました。ジブリ以外のアニメでは異例中の異例の大ヒットの裏には一体何があったのでしょうか。

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解説してくれたのは配給の東宝の方。その分析はなるほどをうなるようなものが見事に並んでいました。大きくは3つ。原作がない。監督の知名度が低い。テレビ局とのタイアップなし。エッ、って感じですよね。これまでの映画ヒットの“三種の神器”が全てないんですから。でも、こうしたないないづくしが、結果的にヒットにつながったのです。

原作がない。これは、結果が分かっていないということです。原作の世界観をスクリーンでどう表現するか、ということで、自ずと映画を見に行く動機がある。それがなかった「君の名は」は、なんだか分からないけど面白いらしいという口コミが、初期段階で拡がり、爆発的な拡散につながったということです。

テレビ局のタイアップない。これは、原作がないに通じる部分があります。テレビタイアップがあると、ガンガン宣伝が行われます。特別番組が作成されるケースもあります。過剰すぎるあおりで、かえって気持ちがなえてしまう。それがなかったことで、フラットでかつ、本当に面白い映画ということで全ての局が中立にリポートした。その結果、口コミと相まって、面白さがストレートに伝わった。

監督の知名度がない。これもジブリ作品の様な絶対プロデューサーがいないことで、前評判はどうしても低い。しかし、にもかかわらず面白い。一体なんなんだ、という興味につながった。かつ、知名度はなくても実力はホンモノだったので、口コミで飛びついたにわか客をも引き付けられた、ということです。

エンタメの本質を考えればヒットは当然

こうやってみると「結果論だろ」というツッコミも入りそうですが、むしろ、過剰名前宣伝やヒットの法則というものが、実は観客の心をさめさせている側面があると考える方が正しいように思えます。大事なことは、宣伝やマーケティングでなく、ホンモノを生み出すチカラということです。そうであれば、ヒットの法則を使えば大ヒットになるでしょうし、使わなくてもヒット作を生み出せるのです。

マーケティングに溺れる者は客をも逃す。考えてみれば、口コミは、自然発生するから口コミなのです。いつからか、こうすれば口コミが広がるバズるとノウハウとなりましたが、型が決まった時点で、もはやバズることはないでしょう。バズったとしても一瞬で萎んで終わりでしょう。君の名はのヒットは、エンターテイメントの本質を改めて気づかせてくれているような気がしますね。

今後、中国進出も果たすという「君の名は」。どこまでそのヒットの輪を広げるのか、楽しみです。

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