多様性組織の理想のカタチとは
編集部便り
ズっぽりハマってしまったドラマが終了
「重版出来!」。普段ドラマはあまり見ませんが、毎週火曜10時の同ドラマにはズッポリハマってしまいました。こんにちは編集部のノリスケです。ずっと編集の仕事をしているので、マンガ編集部を舞台にした同ドラマが他人事と思えず、思い切りのめりこみ、うなずき、目を潤ませながら毎週楽しみに視聴していました。
編集部というところは、ほぼ例外なく多種多様な人種が集まっています。私のこれまでの経験ではそれは間違いありません。共通項は、本が好き。そして、岐路に立った時、本や文章によって背中を押してもらった人たちです。
クレバーな人がいるかとも思えば破天荒な人がいて、妄想だけで生きているような人もいたり、小説家並みの文章力を持った人もいる。それぞれが、強烈に自己主張し、あちこちでエネルギーがぶつかり合っている。そんな組織で、猛獣使いのような役割を担うのが編集長です。たいていは鬼のように怖く、パンチや灰皿が飛んでくることはザラです。
私がかつて在籍した編集部では殴り合いがしょっちゅう行われていました。誰も止めません。むしろ煽っていました。本当に面白い場所なんです。“編集部”というところは。
それだけのエネルギーが充満しているから、面白い作品が絶え間なくつくられていくのです。普段はどんなにいがみ合っていても、いい作品と認めれば、いつの間に強力なサポーターとして協力を惜しみません。デスクはさりげなく全体を軌道修正し、編集長は、見事なまでに力の入れどころを抑え、作品のパワーを最大限に引き上げてくれます。まさに多様性のお手本、といえるのが編集部といってもいいのかもしれません。
ドラマでは、マンガが中心でした。マンガは、漫画家のチカラだけでヒットするわけでは決してありません。編集部員、販売、広告、デザイナー、校閲…など、あらゆる部門の総和によってはじめて、ヒットへの土台が出来あがります。その辺りもキッチリと描いていた同ドラマは、本当によくできていました。
原作は、2014年に日経新聞の「仕事マンガランキング」で1位に輝いたそうですが、同ドラマをみた多くのビジネスパーソンが、組織における各自の役割やなんのために働くのか、その意味を改めて考えたのではないでしょうか。
余談ですが、私がかつて在籍した編集部も実はドラマ化されたんです。実在の部員とキャラクターがほぼ同じで、こちらは自分事として見入っていました。なかなか面白かったんですよ。しばらく“重版ロス”の日々となりそうですが、原作を買い込んで、ココロの隙間を埋め合わせたいと思います。
(ノリスケ)