
両津勘吉は社獣なり
編集部ブログ
ありがとう両津勘吉
3連休は、天候不順の影響で、予定が崩壊。インドア中心に楽しみました。すかさずねじ込んだのが、「こち亀展」。連載開始から40年を迎え、ついに連載終了ということで、それを記念して、東京の日本橋高島屋で催されていました(9月26日まで)。こんには瓦版編集部のノリスケです。両さんは寅さん、ブルース・リーと並ぶ私の3大リスペクトキャラなので、じっくり堪能させていただきました。
企画展では、原画150点以上の他、特別描き下ろしの新作や神田明神に奉納された絵巻が展示され、見ごたえたっぷりでした。それにしても、なぜ両さんこと両津勘吉はあれだけ多くの人を魅了するのでしょうか。ひと言でいえばハチャメチャ、だけど憎めないやつ。でも、ハチャメチャのスケールがすさまじく、スカッとさせてくれる。そこが40年もファンをを魅了し続けた理由でしょうか。
ハチャメチャキャラはマンガの世界では数多くいます。しかし、両さんは警察官。公務員です。ところが、仕事への態度は不真面目極まりなく、金儲けに目がありません。副業もしている有様です。所かまわず拳銃を発砲したり、信号無視、スピード違反は日常茶飯事。破天荒というより、警官のキャラにすること自体がおかしいと突っ込みたくなる傍若無人ぶりです。
即刻懲戒解雇となっても何らおかしくありませんが、そうならない。それは、ときどき超極悪の凶悪犯を逮捕したりするからです。意外にも正義感だけはしっかり持っているのです。その辺りを密かに評価されているのでしょう。組織の一員としてみても、上司との距離感が絶妙なのも、クビにならない秘訣かもしれません。
バカにしながらも、時々褒める。指示されると一応、本当に一応、従う。上司にとっては、出来の悪すぎる部下ですが、なぜか憎めない。だから最後はフォローしてもらう。両さんの人たらし術のなせる業でしょう。
会社にはこうした両さんとは正反対の上司にいいなりのイエスマン、いわゆる社畜がゴロゴロいます。そんな人たちにとって、両さんは潜在的なうっぷんを晴らし、思いを全て実現してくれる痛快なヒーローなのかもしれません。もしも、実在するなら、社畜ならぬ「社獣」でしょうか。本能のままに行動する超自律的な会社員、それが両さんといえるかもしれません。とても、そんな枠には収まり切らないですが…。
ジャンプ最終回掲載後は残念ながら売り切れでしたが、コミック200巻は購入しました。連載は終了しますが、コミックはしっかりと残っているので、1巻から読み直し、両さんを堪能し続けたいと思います。
(ノリスケ)