企業風土

あくせく働いても楽にならない意外な理由とは

投稿日:2016年4月18日 / by

一度立ち止まってみることが大事な理由

「また始まったよ」。会議の時、私はよく、そういう目で見られます。なぜなら、私の発言によって、議題がずっと後戻りしてしまうからです。たとえばもう少しで販売戦略が決まりそうな時に、「そもそも販売戦略の見直しに意味があるのかな?」などと言ってしまうのです。私が「そもそも」と言い出すと、周りはいつも「やれやれ」という顔になります。

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でもこれって、すごく大事なことだと思うんですよね。確かに「そもそも」ばかり考えていたら、きりがありません。そもそも、何でこの商品を売るのか?そもそも、何でこの商売をしているのか?そもそも、会社って何のためにあるのか?そもそも、人間って何なのか?ということになるからです。

そもそも、人間は何のために働くのか?そんなことを真剣に考えていると、「暇人め!」とか、「怠け者!」とか、「ニートになるぞ!」とか言われます。真っ当な人間というのは、働く意味など考えないものだ。どうやら彼らは、そう信じているみたいです。そんな暇があったら働け!食っていくために決まっているだろ!と、心の中では思っているのでしょうね。

でも私は不思議でしょうがないのです。現代人は、すごいテクノロジーを持っています。インターネットで世界の情報が瞬時に見られるし、音速を超える速度で移動することが出来るし、核物質から驚異的なエネルギーを取り出すことも出来る。にもかかわらず、なぜこんなにもあくせく働かないといけないのでしょう

どこで間違えたかを考えることが重要

つまり、私が言いたいのは、こういうことです。あくせく働き続けた結果、ちっとも楽になってない。どちらかと言えば、さらにあくせく働く世の中になっている。にもかかわらず、ただあくせく働いていて、いいのだろうか?蒸気機関も、核燃料も、飛行機も、列車も、ロボットも、人類を楽にするために作られたんじゃないの?なのにぜんぜん楽になってないじゃん。ちょっと原点に立ち返って、ちゃんと考えてみようよ。と、私は言いたい。

フリーメーソンやお金持ちの陰謀だ!と叫ぶ人もいますが、元々は絶対に「人類を楽にするため」だったはず。それがどこかで、間違えちゃったのです、きっと。では、どこで間違えたのか。これを考える以上に、優先順位の高いことなどありましょうか?間違った道をひたすら走り続けている。そういう時に必要なのは、まず立ち止まること。そして「どこで間違えたのか」を考えることです。

なぜ人類は、人類を殺す兵器を作るために、せっかく稼いだお金を使い続けるのか。フリーメーソンの陰謀でしょうか。いや、きっとどこかで、誰かが間違えたのです。だったらその間違えた場所を見つけなくてはなりません。その場所まで立ち戻り、もう一度その続きを考え直すのです。正しい「続き」は、きっと見つかるはずです。


<プロフィール>安田佳生(ヤスダヨシオ)
yasuda21965年、大阪府生まれ。高校卒業後渡米し、オレゴン州立大学で生物学を専攻。帰国後リクルート社を経て、1990年ワイキューブを設立。著書多数。2006年に刊行した『千円札は拾うな。』は33万部超のベストセラー。新卒採用コンサルティングなどの人材採用関連を主軸に中小企業向けの経営支援事業を手がけたY-CUBE(ワイキューブ) は2007年に売上高約46億円を計上。しかし、2011年3月30日、東京地裁に民事再生法の適用を申請。その後、個人で活動を続けながら、2015年、中小企業に特化したブランディング会社「BFI」を立ち上げる。経営方針は、採用しない・育成しない・管理しない。最新刊「自分を磨く働き方」では、氏が辿り着いた一つの答えとして従来の働き方と180度違う働き方を提唱している。同氏と差しで向き合い、こだわりの店で食事をし、こだわりのバーで酒を飲み、こだわりに経営について相談に乗ってもらえる「こだわりの相談ツアー」は随時募集中(http://brand-farmers.jp/blog/kodawari_tour/)。

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