企業風土

週休3日制導入過渡期に発生する“休日格差”の解消策

投稿日:2016年11月4日 / by

週休3日制の浸透を進める企業の狙いとは

目指すは完全週休3日制--。週休3日制の動きが拡大する中、(株)DHコミュニケーションズ(本社:東京都豊島区、代表取締役:高岡 悦幸)は、社内制度として内勤営業の総合職を対象にこのほど、週4日勤務制度の導入を開始した。ゆくゆくは全社員への適用を視野に入れ、制度の浸透を進めていく。

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同社の週休3日制への向き合い方は、極めてシンプルだ。「短い勤務で生産性の高い社員は労務コストが低いので理想的です。目に見えて働きやすい会社をアピールできる点で他社との差別化にも非常に有効。こうしたメリットがある週休3日制が、生産性向上を突き詰めたテスト導入において安定した売上が可能であることが分かり、正式導入を決めました」と同社は説明する。

確かに、生産性を高め、労働時間を短縮しても、長時間労働時とアウトプットが変わらないのなら、週休3日制を導入しない理由はない。一方で、経営者にとっては当然、週休2日のまま、生産性をさらに高めようというオプションもある。だが、それでは目には“見えずらい”。ノー残業という“見せ方”もあるが、社員は実感しづらく形骸化しやすい。そうした中で、あえて週休3日制を選択した点で、同社のスタンスは他の週休3日制とは一線を画している。

昨今、週休3日制導入の動きが拡大する中、各企業の制度をみてみると、雇用形態や年齢、営業成績などの“条件付き”の場合が多い。経営効率を総合的に判断しての結果といえるのだろうが、中途半端感は否めない。あくまでも生産性向上を突き詰めた結果として導入を決断した同社の週休3日制は、かつて週休1日が週休2日へ移行した過去を振り返っても、興味深い動きといえるだろう。

週休3日制の浸透を進める企業の狙いとは

週休3日制はあくまでも会社経営におけるプラス要因。そうした観点での制度導入だけに、社員側のメリットも十分に考慮されている。「週休3日によって、副業による収入源が増加、プライベートの充実というメリットがあります。飛び石でなく、あえて三連休としたのはそのためです。もちろん、安定だって欲しいと思いますので、雇用形態はあくまで正社員としてになります」と同社。まさに新しい働き方を見据えた週休3日制として、制度を運用していく方針がにじむ意向だ。
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現在、制度の適用対象は、内勤営業の総合職のみで、全体の25%にあたる48人中、12人。4人に1人の割合だ。全社員へその対象を広げる完全導入へのプロセス段階とはいえ、週休2日と週休3日が混在し、社内に“休日格差”があるのは気になるところだ。この点について同社では次のように補足する。「職務手当で3万円から5万円ほど差がありますので、今の所、不平不満は上がっておりません」。この辺りは、既存の週休2日、年120日休日社員を継続することとも連動し、あくまで社員の価値感を重視する姿勢が透けてみえ、慎重さとスマートさが感じられる絶妙の対応といえそうだ。
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瓦版のアンケートでは以前、やや変則ながら週休2日と週休3日の2択アンケートを実施。その結果は、僅差ながら週休2日制に軍配が上がった。こうしたことからは、あくまでも休日数は各社員の価値感に委ねるのがベターといえそうだが、週休3日で業務が回り、業績も安定するならば、もはや週休2日の必要はないハズだ。生産性の追求ということをより各社員が自分事にするために、あえて完全週休3日制を目指すという方向性を打ち出すことも、これからの時代にはアリなのかもしれない。

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