企業風土

人事評価制度こそが働き方改革推進に重要な理由

投稿日:2017年6月21日 / by

他社の人事を支援する企業の気になる人事評価制度の成果

職場環境改善は、いまや企業の至上命題といえる。かつては、社員を甘やかす“悪”ともみられたが、昨今は人材確保や離職率低減のための経営戦略の一環として取り組むのが常識だ。福利厚生の充実や成果報酬の適正化など、企業は解のない問題に挑むように試行錯誤を繰り返す。<人事評価制度こそが、その解だ>。自らがそうしたサービスを提供するあしたのチームは、当然のように実験台として実践しながら、それを実証。“お手本企業”として、その普及にまい進している。

なぜ練り上げた制度が機能しないのか

子育て支援のために在宅勤務制度を導入する。若年層とシニア層の賃金格差是正に成果報酬を導入。長時間労働是正に残業を禁止する…。職場環境改善に取り組む企業は、あの手のこの手で、会社の悪しき部分の改善に取り組んでいる。だが、なぜか想定ほど効果が現れなかったりする。むしろ、状況を悪化させることもゼロではない…。

成果報酬では、評価の不公平感を、残業削減では、業務量が減っていない点などが、クレーム対象となり、結果的に社員のモチベーションを下げることにもなりかねない…。なぜこうなるのか。いずれも対症療法でしかないからだ。どんなにすぐれた制度も、根治させるには、土台を治療しなければ効果は続かない。それこそが、人事評価制度にある。同社は、そうした考えのもと、自らが実験台になりながら、そのノウハウとともにサービスとして他社へ提供している。

人事評価制度の重要性を解説する佐藤氏

「ユニークな制度は確かに一時的に効果が期待できますし、話題性もある。しかし、社員のやる気をアップし、企業が売り上げ向上も実現するには基盤が整っていなければいけません。弊社ではそれが人事評価制度であるとして、中小・ベンチャー企業を中心にその導入から運用を支援しています」。こう解説するのは同社マーケティング部の佐藤千尋氏。

実践しながら試行錯誤を繰り返し、サービスの質向上を追求

他社に人事評価制度を導入し、成果を引き出すことがコア事業の同社。それだけに医者の不養生ではないが、同社自身が効果を実証できていなければ、説得力がない。そこでお手本となるべく、同社では、練り上げた人事評価制度を導入し、効果検証しながらその改善を繰り返す。効果はてきめんで業績は順調にアップ。昨今は、働き方改革を追い風に、引き合いが増大し、その勢いを加速している。

人事評価制度自体の根幹は、決して特別なものではない。行動目標の自己設定、絶対評価、マイナス査定、四半期評価。軸はこの4つだ。評価は、個々が設定した行動目標をもとに行われる。たったこれだけだが、社員の側に立てば、この4軸を重視することがいかに理にかなっているかが鮮明になる。

PDCAを高速で回して改善を繰り返し、独自システムと連動することで管理リスクを削減する

まず、目標を自ら目標設定することで社員は主体的になる。その評価は他者との比較でない絶対評価。未達の際にはマイナスもある。つまり、頑張れば報われるを絵に描いたように極めて公平な仕組みなのだ。さらにこのプロセスを四半期で回すため、常に適度な緊張感が保たれ、評価もブレにくくなる。人事評価制度を導入しても、目標設定を上司が設定したり、評価があいまいになりがちだが、そうした妥協を仕組みで封じているからこそ、制度がしっかりと活きてくる。

懸念があるとすれば、その細かさによるマネージャーの評価作業の煩雑化だが、そこは連動する同社独自開発のシステムがクリア。簡単な作業で、評価を可視化できる。その結果、業務の中に無理なく、評価が溶け込み、社員は自らの達成度を把握しながら業務に取り組むことが可能になる。

月3万円支給のおしゃれ手当がもたらした効果とは

同社には、こうした土台の上にいくつかの制度があるが、象徴的といえるのが「おしゃれ手当」だ。支給対象となるのは、同社の営業をサポートする職種として2016年に新設されたコンシェルジュ職。この職種には、元々内勤だったアシスタント職の社員が、任意で挑戦できる。外回りを伴う業務のため、これまでよりも身だしなみに出費がかさむという名目で、月3万円が支給される。月収が一気に3万円もアップすることもあり、多くの対象者が手を挙げるという。

「顧客対応する社員は身だしなみをキチンとすることは決まりですが、外回りもあるコンシェルジュ職は内勤からの登用となることもあり、まさに言葉通り身だしなみに必要なコストとして支給されます。ただし、コンシェルジュ職になるための試験があり、それをクリアする必要があります」と佐藤氏。実は佐藤氏自身も、試験をクリアし、おしゃれ手当をもらっている。

「おしゃれ」という名前に勘違いしがちだが、あくまで職種に伴う手当で、試験もかなりの難関だ

「おしゃれ手当て」の試験というとファッションや美容のテストを連想するかもしれないが、あくまで職種に挑戦するための試験。その内容は、サービス理解や時事問題の筆記試験、資料作成の実技試験、そしてプレゼン試験と全て業務に則したもの。最終のプレゼン試験に至っては社長や役員、そして営業部のメンバー総勢60名ほどの前で行うシビアさだ。緊張のあまり、涙してしまう社員もいるそうだ。

幹部がズラリ揃ったkの空間でたった一人で行うプレゼンの緊張感たるや半端じゃない…

「月3万円は確かに大きいのですが、美容院代やネイル、洋服、化粧品などを購入すると相殺されますね。一度試験に通っても更新が半年に一度あり、どんどん試験のレベルも上がっているので気を抜けませんしね」と佐藤氏は、生々しく実状を明かす。単なるニンジンでなく、業務の必要性に応じての支給。その上で、既得権益としない仕組みで、緊張感をキープする。挑戦はあくまで任意ということを考えても、主体的なやる気アップの仕組みとして絶妙のさじ加減といえるだろう。

働き方改革を推進する上で本当に重要なポイントとは

明確化された業務をこなし、さらに上を目指す機会が用意され、その質をキープする仕組みがある。シンプルだが、このサイクルがしっかり機能するのは、土台の部分で人事評価制度がしっかりしているからに他ならない。これなしに、魅力的にみえる制度だけが導入されてしまうと、導入してみたものの効果が続かない、そもそも効果が出ないという事態に陥る――。

評価に悩む企業が多いが、働き方改革では極めて重要な要素だ

おしゃれ手当では、30人以上が受取資格をクリアし、コンシェルジュとして活躍。当然、人件費は高騰した。ところが、サービス定着を担うコンシェルジュを新設したことで、顧客満足度が上がり、売り上げも増大。結果的に同社は、大きなリターンを得ている。まさに、適正な人事評価制度をベースにした的確な制度による、社員のモチベーションおよび企業業績向上という、同社の狙い通りの“エビデンス”が得られている。

頑張れば報われる。右肩上がりの時代が終わり、昨今はこの法則が崩壊したともいわれるが、それは経営者が人事評価制度を軽視しているからなのかもしれない…。年功序列が、せっかくの人事評価制度を歪にしていた側面も否定できないだろう。サービス提供者として、同社自身がその重要性を強く意識し、実践。結果も出している事実が、それを見事に証明している。人材不足で、「人財」への意識は高まっているが、そのためにまず何をすべきかは、ハッキリしているのかもしれない。


【会社概要】
会社名:株式会社あしたのチーム
設立日:2008年9月25日
代表者:代表取締役社長 高橋恭介
事業内容:人事評価クラウド型運用支援サービス「ゼッタイ!評価®」
あしたの人事評価クラウド「コンピリーダー®」
教育・研修事業「MVP倶楽部®」
その他人事関連事業
HP:http://www.ashita-team.com/

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