企業風土

就活生が不安になる企業の非公開情報とは

投稿日:2014年4月9日 / by

学生を支援する就活サイト「JOBRASS新卒」を運営する(株)アイデム(本社:東京都新宿区、代表取締役社長:椛山 亮)の人と仕事研究所 http://apj.aidem.co.jp/ は、2015年3月に卒業予定で、民間企業への就職を希望している大学3年生及び大学院1年生の男女510名を対象に、2014年2月末時点の就職活動の進捗状況・企業選定の傾向・就職活動に対する気持ちに関する調査を実施。その結果を公開した。

不安になる非公開情報

学生の就職活動の実態が把握できる結果が出ている同調査。瓦版ではその中から、これから社会人になる学生の働く上での価値観が分かる結果にフォーカスし、彼らが描く理想の働き方をイメージしてみる。

まず、業界へのこだわりについて。55.9%の学生が「志望する業界を設定し、その中で企業を探す」が55.9%で過半数を占めた。一方、「業界には全くこだわらずに、企業を探す」は、44.1%。業界を絞り込んでいる割合の方が多いものの、とにかく企業を探す割合が44%以上もいるというのは、将来像を描けているのかという観点からは、かなり不安な数字といえる。

次に企業選定の際に従事するものはなにか。事業内容、職種、会社の雰囲気、業界の割合が高く、中身重視であることが分かる。この結果からは、入社希望の企業がある程度絞り込まれた段階では、どんな会社であるかを重視することが分かる。裏を返せば、入れるとなれば、中身にはこだわる。だからこそ、入社後違和感があるとあっさりと離脱してしまうともとれる。

公表されていないと不安な企業情報はなにか。これについては、「離職率」が50%でトップ。次いで「1日の就業時間」(43.5%)、「年間休日日数」(40.2%)、「時間外労働」(39.4%)となった。明らかに“ブラック企業”を意識しており、いい人材を採りたければ、企業側も正々堂々と情報公開した方がいいといえる結果だろう。

調査

働き方で大切にしたいもの(人と仕事研究所調べ)

働く上で大事にしたいものも聞いている。結果は「仕事の内容」が48.4%、「働きやすさ」が41.6%、そして「給与の高さ」は10%となっている。先の「非公表なら不安になる情報」とあわせ、この結果から浮き上がるキーワードは「安心感」。学生にとっては、できるだけしっくりとフィットした状態で働きたいという姿勢がうかがえる。

労働市場においては、少子高齢化や長引く景気の低迷の中で、割を食っている感のある若者。それだけに、今回の調査結果からは、必死さ以上に慎重さがうかがえる。さらにいえば、とりあえず理想よりも現実を見据えているのが実情のようだ。それだけに、企業側もいい人材を採りたければ、これまで以上に職場としての魅力に磨きをかける必要があるといえるのかもしれない。

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