アルバイトクルーにも最高の幸せを与え続ける方法
コールド・ストーン・クリーマリー・ジャパン株式会社
小高千佳氏
コールド・ストーン・クリーマリー・ジャパン（以下コールドストーン）の採用方法は、主にコールドストーンで働くにあたって、人間性や価値観がどれだけマッチしているのかで判断している。同じ価値観を持った仲間同士で働くことができる環境があることによって、必然的に連帯感が生まれる。コールドストーンではその連帯感を思う存分に発揮できるような、クルーたちのスペシャルイベントも行われているらしい。
クルーがもっと楽しく働くためのイベントを年に一度開催
コールドストーンには「ALL JAPAN CREAMERY CUP」という名の一大イベントが存在する。全国にある店舗から代表クルーが一堂に集まり、スキル･知識・パフォーマンスなどの総合力を競うのだ。対戦はトーナメント方式で行われ、最後まで勝ち進んだ店舗が優勝となるシンプルなルールである。
年毎に行われる競技は違うようだが、2013年度は他の店舗とグループを組み1時間という短い時間の中で即興の歌を作り発表したり、アイスクリームを正確に計量できるかを競ったり、お店での接客を行ったりと、充実した内容であった。
このイベントは、コールドストーンの社員にとっても一大イベントであり、企画ステージの設営や照明、タイムキープなどすべての運営進行を全て自前で作り上げているという。本番前には何度もリハーサルを行い、万全の状態でクルーたちの演技を見守るのだ。さらには、アメリカの本部からも来賓を招き、イベントの成功に一役買ってもらっているという。
イベントで優勝した店舗には表彰式にてトロフィーが授与される。それ以外には特に報酬など出していないというが、参加することに意義があるイベントとして、これからも作り上げていきたいと小高氏は語ってくれた。
頑張ったクルーにご褒美を！
コールドストーンではBest Of Crewsという研修旅行も実施している。全国にある各店舗からMVPを1名選出し、日ごろの感謝と各店舗との交流の意味を込めて旅行に連れて行くのだ。場所はコールドストーンの店舗があるハワイであったり、グアムであったり国内の時もあり、さまざまである。
通常であれば、こういった福利厚生は社員に向けられたご褒美であるイメージが強い。しかし、コールドストーンではそれをアルバイトであるクルーに付与している。これは店舗を実際に動かしているのは、社員ではなくクルーであるという表れであろう。
MVPの選出は、店舗ごとに投票形式にて行われる。同じ職場で働く仲間の中で一番Make People Happyを体現している人を選出するのだ。自分だけではなく他人の働き方についても、意識していなければこういった投票は成立しない。この部分でもクルーたちの連帯感を見て取ることができる。
クルーとして働くにあたって大事なオリエンテーション
クルーとして配属された初日には必ずオリエンテーションが組み込まれている。しかも、丸一日かけてクルーの研修をするというのだから力の入れようは相当なものだ。まるで学校のようなカリキュラムが組まれており、講義の内容は主にコールドストーンが掲げるCore Valuesの部分を共有しあうことだという。長い時には6時間にも及ぶオリエンテーションになるそうだが、仕事を始めるにあたって一番大事なことは最初に伝えたいという理念に基づいたやり方なのである。
「お店の中で行えることや、仕事に対するスキルは実際に仕事をしながら覚えていってもらえればそれでいいんです。それよりもやはり、これからコールドストーンで働いていくんだという心構えをもって欲しいので、こういったオリエンテーションはとても大事にしています」小高氏は真剣なまなざしで語ってくれた。
新卒採用よりもクルーからの社員が増加
コールドストーンでは現在新卒採用を行っていないが毎年5名ぐらいが、クルーの中からステップアップ制度を利用し入社してくる。メンバーはすでに会社の理念や価値を理解しており、実務的なこともこなせる即戦力として迎えられる。先輩社員から見ても見知ったメンバーが、新入社員として入社してくることはとても心強いことだろう。
コールドストーンの社員は一丸となって、人を幸せにする方法、自分が幸せになる方法を考えている。コールドストーンはただ単にアイスクリームを販売しているだけのお店ではない。「ハッピークリーマリー体験」といってコールドストーンに訪れたお客様に、幸せな気持ちになってもらうことが一番のミッションなのである。
社員だけでなくクルー、そして会社全体が同じ方向を向き、同じミッションを達成しようとしている。そこにある連帯感や達成感を、お客様として訪れた人にも感じさせるお店作りを、コールドストーンはこれからも続けていく。
