企業風土

社員食堂を業務推進につなげる使い方

投稿日:2013年10月21日 / by

人が集う場としての有効活用

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株式会社ビットアイル

職場のムードは些細なことでも大きく変わる。挨拶や雑談など、コミュニケーションが多ければ、自ずとオフィスには活気がみなぎる。(株)ビットアイルは、社員食堂も兼ねるラウンジが、社員の交流の場としてマルチに機能。社内はもちろん、グループ企業とのコミュニケーション活性化にも貢献している。

グループ企業社員も利用することで生まれるコミュニケーション

bitisle2ランチタイムになると社に隣接する食堂に多くの社員がなだれ込む。ボリューム満点のサラダビュッフェが200円からあり、定食メニュー500円前後でも十分に満足なボリュームとクオリティのランチにありつけるのだから当然ではある。周辺の企業では、社員食堂を縮小・撤退しているところもある中で、2年前にグループラウンジとしてオープン。広くて開放的できれいな空間は、食欲をさらに掻き立てる効果があるのかもしれない。

もっとも、社員にとって同食堂は空腹を満たすためだけのスペースではない。他部署やグループ会社の社員との交流の場としても機能しているのだ。というのも、同社のあるエリア周辺には、グループ会社が結集。

充実の社員食堂

エリアの中心にある食堂は、共通のコミュニケーションスポットとなっている。普段は顔を合わすことのない他部署やグループ会社の社員がランチを交え、気軽に情報交換を行うのに最適なのだ。18時以降はなんと生ビールが200円で提供され、財布の負担を最小限に抑えた軽い飲みニケーションも行える。

「社内で社員満足度調査(ES調査)を行ったところ、最も支持率が高かったのが、社員食堂です。周辺にあまり食べるところがないことも理由のひとつですが、なによりも格安でおいしいランチをたっぷりと食べられるというという点が非常に好評のようです。グループ会社の人や他部署の人とも顔を合わせるので、顔と名前が一致するのに役立っているという面もあるようですね」と同社マーケティング本部広報グループの杉野虹氏はその効果を解説する。

空腹以外も満たすマルチ空間

食堂をメインとして活用されるこのラウンジスペースには、シミュレーションゴルフや卓球台、ビリヤード、ダーツ、ゲーム機、マッサージチェアなど、レクリエーション設備も揃う。食欲を満たすのはもちろん、ストレス解消やリフレッシュなどにも貢献する、社員にとっての癒しの空間でもあるのだ。毎年春には、生の桜を活け、インドア花見大会が開催されるなど、同所は、社員全員の交流を深めるのに最大限に活用されている。

iDC(インターネットデータセンター)サービス、クラウドサービス、ネットワーク・運用・レンタル・セキュリティなどを提供する同社。業種的には、人の交流がどちらかといえば難しいジャンルだけに、同ラウンジがもたらす効果は、目に見えないもの以上のものがあるといえる。

食堂以外でも充実の福利厚生

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ラウンジ以外でも同社では、福利厚生が充実。一定の勤続年数を満たした社員に対して次のステップに進むための自己啓発にかける時間と手当を支給する「ネクストステージチャレンジ手当/休暇」、会社が公認したクラブに対して活動費用が支給される公認クラブ活動支援制度配偶者へのバースデープレゼント、社員が自分記念日を設定し休むことができるアニバーサリー休暇など、社員のモチベーションアップやコミュニケーションを深めることに力点を置いた様な制度がズラリと揃う。いずれにも共通するキーワードは「人と人のつながり」だ。

透けてみえるデジタル偏重の効率化の盲点

社員の健康維持、モチベーションのアップ、低離職率キープ…。「人」を大事にした施策は、着実に届く。間接的ではあっても業績の安定へとつながる。社員のモチベーションも当然高まり、能力が最大限に引き出される。その結果、企業力が高まり、業績もアップする。こうした好循環は、どんなに優れた枠組みをつくっても、それが人にフォーカスされていなければ、机上の空論になりかねない。だからこそ、簡単なようで難しい。

コミュニケーションの大切さは、どの企業も認識はしている。昨今では、通信機器やグループウェア、SNSも進化し、直接顔を合わさずして、同等のコミュニケーションをキープすることも不可能ではない。それでも同社では、あくまでも直接的な人と人との触れ合いを重視し、そうした施策に惜しみなく投資する。効率化の本質とはなにか…。社員食堂を拠点とした同社のコミュニケーション力強化から透けてみえるのは、デジタル化偏重の効率化の意外な盲点といえるのかもしれない。


bitisle8<遊興設備 ダーツ、wii、卓球台、シミュレーションゴルフ、マッサージチェア…など、食堂に設置される遊興設備は、基本予約などなしでも使用できる。ともすれば、せっかくの設備もムード的に使いづらく、“置物化”しがちだが、同社では、そうしたことはないという。実際、取材に訪れた際も、気持ちよくマッサージチェアに身をゆだねる社員を確認した。空腹を満たし、疲労も和らげる食堂は、同社の社員にとっては、本当にありがたい存在のようだ。

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