企業風土

2014年のブラック企業大賞ノミネート9社

投稿日:2014年7月30日 / by
ブラック企業大賞2014

ノミネート企業を発表した実行委員会(都内で)

「ブラック企業大賞2014」のノミネート企業が、ブラック企業大賞実行委員会により2014年7月30日、発表された。3回目となる今回は9社がリストアップされた。同日より、WEB上に公開され、一般からの投票も受け付け、選考委員による審査を経て、大賞・各賞を決定。9月6日に都内で授賞式を行う。

今回は、認定指標がバラエティに富むリストアップとなった。その象徴といえるのが、東京都議会だ。2014年6月の都議会での「早く結婚した方がいいんじゃないか」等のヤジ。この騒動をきっかけに多くの議会でセクハラ野次が飛び交っていたことが発覚し、「職場」におけるセクハラ・パワハラの象徴的事例として異例のノミネートとなった。

ノミネート企業

ブラック企業大賞2014ノミネート企業

秋田書店の事例では、読者プレゼントにおいて、当選者数よりも大幅に少ない景品しか用意していなかったことに対し、不正を辞めるべきと進言した社員が、その後も業務継続を指示され、精神疾患を患い休職を余儀なくされた。挙句に、「読者プレゼントを読者に送らずに着服した」として懲戒解雇されている。

リコーは、リストラにおけるいわゆる追い出し部屋の子会社を活用した悪質さからノミネート。正智深谷高校&イストは、偽装請負の事例として候補に挙がった。その他は、ブラック企業大賞認定の定番指標といえる長時間過密労働を課した企業が並んだ。ちなみにリコーは、経産省選定のホワイト企業に選ばれている。

3年目を迎えた同賞だが、今回は、メディアの数が激減。昨年はとりわけ、「ブラック企業」が流行語大賞に選ばれるなど注目度が高かっただけに、その反動ともいえるが、実行委員はブラック企業糾弾の手を緩める気はもちろんない。

「昨年は確かに言葉自体が流行のようになり、メディアも多かったですが、その数の減少と大賞の注目度はまた別だと考えています。一般の方が投票するWEB投票数は、年々増加していますし、ノミネート企業に対する声も年々、厳しくなっています。それだけ注目されていることの裏返しだと思いますので、今後も選考基準等も含め、より良い形にしていければと思っています」と実行委員の内田聖子氏は話す。

昨年は、行政もブラック企業撲滅に積極的にアクションを起こすなど、同賞の“間接効果”ともいえる流れで、ブラック企業撲滅へのうねりが起き始めている。WEB投票では、若者の投票が多いといい、当事者も多いと想定される底辺からの注目度も高まっている。今回、様々なタイプの悪質事例がノミネート企業とともに晒されたが、働く側にとっては、幅広い視点を持つことが企業による“搾取”へのリスクヘッジともなるだけに、ノミネート企業の選定にはそうしたメッセージも込められているといえそうだ。

◆ ブラック企業大賞2014結果:http://w-kawara.jp/working-hours/black-company2014/
◇「ブラック企業大賞」:http://blackcorpaward.blogspot.jp/

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