企業風土

社員を仕事に夢中にさせる企業にみる7つの極意

投稿日:2016年6月3日 / by

実践企業にみる仕事を楽しませる極意

企業にとって、社員が懸命に働いてくれることが最大の生産性向上につながることはいうまでもない。理想的なウィンウィンの関係といえるだろう。だが、ルーティンワークや過酷なノルマを抱えながらの仕事に次第にやりがいを失うワーカーは少なくない。無理にやる気を起こさせれば、離職リスクを誘発する可能性もある。そうした難題をクリアし、創意工夫で社員を夢中にさせることに成功している企業から7つの取り組みをピックアップする。

1:ゲーミフィケーション

仕事に限らず、取り組んでいることがつまらないと感じたとき、「ゲーム感覚でやりなさい」というアドバイスが送られることはよくある。ゆめみは、まさにそのゲーム感覚を業務の中に取り入れ、単調な仕事に楽しさを加えている。

社員はこの端末にみつけ、行動をポイント化する

社員はこの端末にみつけ、行動をポイント化する

「弊社はゲーミフィケーションのリーディングカンパニー。同サービスを用い、お客様に価値を提供するだけでなく、自らも社内ゲーミフィケーションを展開することで、ゲーミフィケーションの認知度の向上と正しい理解の促進を図りたいと考えています」と同社。主に社員の健康増進関連の取り組みに活用されているが、業務関連の者もあり、単調になりがちな取り組みや作業でも競争意識や達成感が高まり、生産性向上に寄与しているという。

社内ゲーミフィケーションを導入した働き方

2:懸賞を付ける

目の前の仕事にどうしてもやる気が起こらない。とにかく興味がない。もしもそんな社員がいたとしよう。上司が「ふざけるな」と怒るのは明らかに逆効果。下手をしたら退職という事態もあるかもしれない。そこへ、懸賞を付けたらどうなるだろう。極端にやる気が起こることはないにしても、ゼロだったやる気が少しは向上するだろう。

仕事を貼り出された懸賞付依頼書で選択する

仕事を貼り出された懸賞付依頼書で選択する

エストコーポレーションはまさに業務に懸賞を付ける制度で、社員のやる気を主体的に高めている。「ポイントは2つ。やらされ感がないこと。より成長できること。やらされ感は任意とすることでなくなりますし、クエストをオープン化することで、通常の上司からの指示で取り組む場合とはモチベーションも変わってきます」と同社。カネ目当てという短絡的なことではなく、やった仕事に対する対価が明確であることが、社員にとってはなにより心に刺さる。その意味で懸賞をつける“作戦”はありといえそうだ。

懸賞付の仕事を提示する会社の狙いとは

3:最高の労働環境を提供する

昨今は仕事でPCを使うのは当たり前。そのPCが古いタイプの低スペックだったらどうだろう。どんなに好きな仕事でも、ぎこちない動きにストレスが溜まり、やがてやる気が失せてくる。逆に、ハイスペックなPC、使い勝手に優れるデスクやチェアが完備されていれば仕事ははかどり、疲労もたまらず、嫌いな仕事もスイスイこなせるようになる。

クラスメソッドは、まさにそうした作業環境には惜しみなく投資を行い、社員の生産性向上に成功している。その理由は「弊社の労働環境に関するキーワードは“トータルリワード”。金銭以外の報酬で社員の頑張りに貢献しようということです。理由はシンプル。金銭による見返りは、歯止めが利かなくなるからです。そうであれば、利益を社員の働きやすさへ還元する方が、意味がある」。なるほど、理にかなっている。例えば同じ業種だとすれば、誰もが労働環境をいい方を選ぶだろう。そうした観点からも作業アイテムへの投資は惜しんではいけないだろう。

社員に最高の労働環境を提供する理由

4:好きな雇用形態で働く

仕事を苦痛にする意外な盲点は、雇用形態にあったりする。例えば、実は自宅で作業する方が、捗る人もいれば、短時間で集中的に作業する方がいい人もいる。正社員しか選択肢がなければ、基本オフィス勤務で8時間労働を強いられることになる。そうした雇用の鎖を解き放ったのがシグナルトークだ。

同社では、雇用形態を各自が自分にあったスタイルを選択できる。「FreeWorking制度」という制度で、正社員はもちろん、業務委託、短時間労働、リモートワークなど、7つの形態が用意されている。もともとは優秀な人材を確保することが目的だったが、各自が自分のペースで働けることから生産性も向上し、社内のムードもより良好になったという。

社員が自在にワークスタイルを選べる会社

5:公私混同する

公私の区別がなくなることで仕事に嫌気がさすことはよくある。その公私混同をいい意味で活用しているのがバイタルエリアだ。ITシステム系で社員がクライアント先に常駐することも多い同社では、社員が一体になりづらい。だが、同社におけるその関係性は、常に同じオフィスで働く他社よりも深く強い。

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ほぼ毎週末サッカーも全員サッカー好きだからむしろ最高

その理由が公私混同だ。実は同社、社長が大のサッカー狂で、いまだ現役でプレー。そうしたこともあり、社員はサッカー経験者を重点採用している。目的はもちろん、休日のサッカーに駆り出すため。まさに公私混同で、一体感を強める同社は、職場では社長に頭は上がらなくても、フィールドでは“無礼講”で、ストレスを発散。モチベーションを下げることなく、仕事を続ける原動力となっている。

公私混同経営の正しいやり方

6:週休3日制にする

最初は夢中で取り組んでいた仕事に対し、徐々にやる気を失い、やがて嫌いになり、「向いてないかも」とまで思うようになってしまうことは珍しくない。その引き金が、あまりに多過ぎる業務量ということはよくある。人間、疲れ果てては、正常な判断はできない。労働時間、休日が決まっている以上仕方がないが、そこにメスを入れたのがカメレオンだ。

同社は、土日に加え、水曜日も休日に設定。一気にやる気を取り戻した。「祝日の関係でたまたま水曜が休みになったとき、すごく1週間が楽だったんです。月火出て水曜日に休んで木金出て休み。つまり、2日頑張れば休みがくるサイクルが、仕事にくたびれないと気付いたんです」と福留代表。ちょっとしたことだが、可能なら、こうしたことも失われたモチベーションを高めることに役立ちそうだ。

週休3日制導入の理由

7:とてつもない目標を掲げる

「もういいか」、「仕事がつまらない」、「ひょっとして向いてないのかも」。こうした思いが頭をもたげることはよくある。確かに仕事自体がつまらない可能性はある。だが、よく考えてみれば、仕事に対し、重みを十分に感じていないことが原因の可能性もある。

ズーでは目標を時価総額100兆円に掲げる。新興ベンチャーだけにとてつもない目標だが、本気で狙っている。その結果、社員は普通の数倍のスピードで作業をこなし、着実に結果につなげる。かなりの荒療治といえるが、問答無用で目標に向かうしかない状態にすることも、社員を仕事に夢中にさせる方法としてありといえる。まさに夢の中に送り込み、目を覚まさせない究極の策といえるだろう。同社富田代表はいう。「迷った時の道しるべとして、『100兆円』を掲げている。そうするとぶれないんです」。中途半端でないことも重要だ。

時価総額100兆を目指す会社の考え方

<まとめ>

どうだろう。誰しも一度は仕事に対し、ネガティブな気分になることはあるハズだ。だが、それが、仕事に向いていないとか仕事がつまらないということに単純につながるとしたらそれはおかしなことだ。だからこそ、そうならない工夫を企業は施す必要がある。もちろん、絶対はない。だが、会社側がちょっと一工夫するだけで劇的な効果があったりするものだ。上記の実践企業の取り組みには、そうしたヒントが詰まっている。

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