企業風土

最大4時間の業務集中時間を確保できる会社

投稿日:2015年5月20日 / by

createrstime1

クリエイティブなアプトプット実現のために

「クリエイターズタイム」

(株)ビズリーチ

< より働きやすく>を重視する企業が増えている。より創造的な成果物を生み出す、そして優秀な人材を確保するのが主な狙いだ。2015年4月から最大4時間の業務集中時間を確保する新制度「クリエイターズタイム」を導入したビズリーチ。その狙いを探ると、同社の理念に突き当たった――。

パフォーマンスの最大化図る新制度

createrstime2

クリエイターズタイムを説明する伊藤氏

「クリエイターズタイム」は、最大4時間まで業務に集中できる時間をオフィス内で確保できる制度。対象は、エンジニア職およびデザイナー職。企画系などの職種でも上長と相談の上で活用できる。目的は、パフォーマンスの最大化だ。

「当社では、社員の約4割がエンジニア職やクリエイティブ職が占めており、これまでも業務に集中し、クリエティビリティを最大化するためのオフィス設計などに努めてまいりました。その延長でさらなるパフォーマンスの向上に期待し、新たに導入したのがこの制度です。」と同社広報の伊藤綾氏は説明する。

制度を活用すれば、その社員は、1日最大で4時間の連続した作業時間を確保できる。その時間内は、緊急かつ重要な用件以外は、他の社員も話しかけることはせず、また本人の了解なしに社内外のミーティングを入れてはいけないルールとなっている――クリエイター冥利に尽きるなんとも素晴らしいシステムだ。しかし、瓦版読者なら、こんな疑問がわいてこないだろうか。だったら、リモートワークを許可すればいいのではないか…。

あえてオフィスでの業務にこだわる意味

careerbiz02

業務中は目線が合わず振り返ればコミュニケーションがとれるハニカム構造を採用

実は、同社は、エンジニアが中心の企業ながら、マーケティング力も重視している。従って、プロジェクトにおいては、エンジニア、デザイナーも企画の最初から最後までミーティングの段階からフル参加で、プロダクトづくりに携わる。次々に独自サービスを創りだす同社のアイデンティティの中には、<自ら付加価値を生み出せるクリエイター>が組み込まれているのだ。

「当社のエンジニア・クリエイティブ職種の執務室は『ハニカム』という、業務に集中するためにお互いの目線が合わないデザインを採用しています。ですが、後ろを振り返れば会話ができる6角形をしています。ちょっとした会話にも成長の糸口はありますし、自分が加わっていなくても近くでされる会話が耳に入ることで、クリエイターは何らかの気付きを得たりします。そうしたこともあり、当社ではいまのところ、face to faceでのコミュニケーションを重視しており、いわゆるノマド的な働き方は考えていません」と伊藤氏。

エンジニア集団は、アウトプット重視でワークスタイルが自由、という場合も多い中、あえてリアルにこだわる同社。それだけに、最大で4時間の業務集中時間が確保できる「クリエイターズタイム」には、大きな価値がある。

利用の仕方はいたってシンプル

空間で集中をサポートする個室の作業スペース

空間で集中をサポートする個室の作業スペース

ミーティングが頻繁に行われることで、作業効率を下げる可能性がある。ミーティングへの参加には前向きでも、それによっていいリズムの時間がストップすることによる損失は、時間以上に大きい。30分の集中時間8回は、1回の4時間に明らかに劣る。クリエイターズタイムの導入は、こうした課題を一気に解消する。

「導入が決まり、エンジニアやデザイナーは歓迎ムード一色です。せっかく集中して作業をしているときでもこれまでは急にミーティングや相談が入ったりすることもありましたから、それがなくなることで、作業がしやすくなったようです。まだ導入から間もないですが、すでに多くのエンジニアが活用しています。以前に比べてパフォーマンスがあがったという声が届いていますね」伊藤氏。

手軽に利用できることも、活用の促進につながっている。利用する場合は、スケジュール共有ツールに入力するだけ。その時点でミーティングが入っていなければ、いつでも活用できる。上長などへの事前申請は必要ない。この日は、4時間フル活用の人、2時間確保の人が確認できた。

クリエイターズタイム以外にもある働きやすくる施策

faci

スペースのあちこちに集中しやすくする工夫が散りばめられている

仕事をしやすくする施策として、同社には6角形に並べたデスクのほか、2人でのミーティングに使えるペアデスク、1人で集中したい時の個室、会話禁止のクワイエットルームなど、クリエイターが集中できる工夫をあちこちに散りばめている。そこに「まとまった時間」が加わることで、一気にその潜在力が引き出されることになる。

テクノロジーを活用すれば、いまや完全リモートワークもたやすい環境にある。現にそうしたスタイルでワーカーに最大級の働きやすさを提供する企業もある。一方で、同社のようにオフィスでの共同空間にこだわりつつ、働きやすさに最大限配慮する企業もある。どちらがいいかは、あくまで価値観の問題。各個人、各企業がより成果を出せる方を選択すればいい。明確にいえることは、人が同じ空間で共有する息遣いや肌感覚を100%再現するテクノロジーはまだない、ということだ。


【会社概要】

bizreach

http://www.bizreach.co.jp/

会社名: 株式会社ビズリーチ
所在地: 東京都渋谷区渋谷2-15-1
資本金: 229,965,000円(資本準備金を含む)
代表者: 代表取締役 社長 南 壮一郎
事業内容 :インターネットを活用したサービス事業
管理職・グローバル人材の転職サイト「ビズリーチ」
キャリア女性のための転職サイト「ビズリーチ・ウーマン」
20代のためのレコメンド型転職サイト「careertrek(キャリアトレック)」
シンガポール、香港を中心としたアジアハイクラス人材転職サイト「RegionUP(リージョンアップ)」
友達とクイズで競える学習アプリ「zuknow(ズノウ)」

読み物コンテンツ

働き方白書について
仕事相談室について
極楽仕事術について
三者三様について
戦略的転職について
用語集について