企業風土

残業理由一位は「○○が少ない」、二位は「○○が多い」

投稿日:2015年1月21日 / by

連合(東京都千代田区、古賀伸明会長)はこのほど、「労働時間に関する調査」の結果を公開した。20歳~59歳の男女雇用労働者(正規労働者・非正規労働者)3,000人の有効サンプルを集計した。

まず、労働時間。1日の平均的な労働時間は正規労働者で8.9時間。非正規労働者で6.4時間。残業を命じられることがあるのは59.2%。就業形態別では正規労働者で62.7%、非正規労働者で54.6%だった。

役職別では一般社員64.5%、主任クラス65.3%、係長クラスで70.7%と職が上がるのに比例して高くなる一方、課長クラス以上では46.6%と5割を下回った。

連合調べ

連合調べ

残業を命じられることがある人の1か月の平均時間は、10時間未満53.6%、10時間~20時間未満17.8%、20時間~30時間未満11.0%。平均では18時間だった。就業形態別では正規労働者22.1時間、非正規労働者11.8時間となった。

では、残業の原因はなんなのか。最多は「仕事を分担できるメンバーが少ない」(53.5%)。次いで「残業しなければ業務を処理しきれないほど業務量が多い」が52.6%で肉薄した。3位は「職場のワークライフバランスに対する意識が低い」(23.7%)、4位「職場に長時間労働が評価される風潮がある」(10.4%)となった。

連合調べ

連合調べ

これに関し、どうすれば残業を減らすことができるのかも聞いている。トップは「適正な人員配置」(55.6%)、次いで「上司が部下の労働時間を適切にマネジメントする」(25.7%)、「職場のワークライフバランスに対する意識を変える」(24%)と続いた。

これらの結果から、日本の正社員に、いまだ時間中心型の労働スタイルが根強く残っていることが浮き彫りになる。さらに適材適所がうまくいっておらず、組織内においても労働力が歪になっている様子が透けて見える。

調査を行った連合は『残業代ゼロより過労死ゼロの労働時間規制』」を打ち出している。その観点からこの結果をみると、適正な人員配置とマネジメント力強化により、残業削減は可能であり、達成出来ない場合には何らかの罰則を設けるという施策も浮かび上がる。

もっとも、労働時間に関する問題は、そもそも右肩上がりの時代の働き方が、人口減少時代に相容れなくなってきていることにある。その意味では、単に適材適所やマネジメント力強化では、残業減につながれど、本質的な解決にはつながらない。そこを最低ラインに多様な働き方を組み合わせつつ、これからの時代にマッチした新しい働き方のベースを模索していくことが、モアベターなアプローチといえそうだ。

 

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