企業風土

子供にお父さんやお母さんのはたらく姿を見せる試み

投稿日:2014年9月2日 / by

「お父さん、お母さんはどんな仕事をしているの?」

main-space今も昔も変わらず、お父さんやお母さんは家族のために働き、家族の生活を支えてくれている。しかし、子供の視点に戻って見れば、お父さんは毎朝会社に行き、夜遅くに帰ってくるものであり、会社がどこにあるか、そして会社というものが一体何なのかわからない子供も多いだろう。
親が自営業の場合や、警察官、パイロット、スポーツ選手、などといったなじみ深いメジャーな職業についているのであれば、テレビや本などで知る機会も多く、子供ながらになんとなく想像できるものではあるが、それ以外の職業、特にIT関連の企業に勤めているのであれば、どんな仕事をしているのか想像しにくいものだ。

そんな中、ファミリーデーを実施する企業も増えているという。
ファミリーデーとは社員の家族に、お父さんやお母さんが勤める会社や仕事をしている様子を見せるという試みである。このことにより、子供に社会勉強をさせる機会を与えたり、家族に会社を見せることで社員自身のモチベーションを上げたりする効果が見込めるというのだ。それに、仕事をしている自分を支えてくれる上司や普段お世話になっている方々に対して、家族としての現状を報告するいい機会にもなっている。

今回はIT総合情報ポータル「ITmedia」をはじめ、各分野の専門的なコンテンツを豊富に提供するメディア企業である、アイティメディア株式会社 にて実施されたファミリーデーについて取材を行った。

参加した子供の年齢は生後2ヶ月の赤ちゃんから中学生までと幅広く、いろいろな家族模様を見ることができた。
会場の設営にも余念がなく、「授乳室」や「おむつ交換室」を臨時に設置したり、小さな子供たちが喜ぶように人気のDVDをテレビで流したり、テーブルの上にお絵かき用のスペースがあったり、子供たちを楽しませるための工夫があちこちに見受けられた。さらには金魚すくいやヨーヨー釣りといった催しまでが揃い、お祭りイベントとしての雰囲気が存分に出されていた。

summer-fes

子供が来ることで華やかになる職場

officeアイティメディアにおけるファミリーデーは平日金曜日に開催された。今回のファミリーデーは社内懇親会を行う日程と合わせたらしく、懇親会にも家族で参加するという形でファミリーデーは進行していった。

ファミリーデーはその名の通り、社員と家族の交流がメインで進められ、大槻社長も積極的に会に参加している様子が見られた。
「いつも会社で働いてくれている社員が、家族と一緒にいる姿を見るとグッとくるものがある。こういう機会を設けることで他部署とのコミュニケーションも取れて、会社全体にいい影響があります」と大槻社長。

職場見学会では、お父さんやお母さんが実際に働いているデスクなどを、子供たちや家族の方々が見て回り、一緒に働い2ている同僚に挨拶を交わしていた。家族や子供が職場に入っただけで、会社独特の張りつめていた空気が、一気に和やかなものに変わり「まるで会社じゃないみたい」という社員の声もあちらこちらで聞こえてきた。

ファミリーデーの開催について、実際に参加された家族の方にも話を聞くことができた。
「家族が会社にくる機会というのはなかなかないものでして、子供たちも喜んでおりますし、会社の環境を見ることができて嬉しいです」とファミリーデーに参加した奥さんはいう。
中には、ファミリーデーの開催について「仕事にはならないけど、、、」と前置きした上で「こういうイベントはとてもいいと思います」と話してくれた社員もいたのが印象的であった。

ファミリーデーがもたらす会社への価値

child-dream会社に家族を招いてのファミリーデー、会社にて家族と一緒に過ごす時間というのは、いつもとは違った空気感覚になることだろう。同僚や上司、部下からすれば、社会人としての一面からしか見ていなかった社員の、お父さんお母さんとしての顔を見ることで、その人が持ついろいろな人間性を知ることができ、人としての信頼は増していくのではなかろうか。
それに、家族から見ても、自分の配偶者や親が実際に働いている場を見ることで、「いつもお父さんやお母さんは、ここで頑張っている」という気持ちが生まれ、それが親に対する尊敬や憧れに繋がり、より充実した親子関係を築いていけるはずである。
その昔、父親というものは仕事を家庭に持ち込まないものであった。しかし今は、両親が共に働く時代に突入しており、家庭と仕事が共生し始めている。その中で子供たちの関心が両親の仕事に向くことも自然の流れであろう。

会社と家庭は、生活という部分において密接な関係がある。今回のようなファミリーデー制度は、会社と家庭のかかわり方を考えると、社員のモチベーションアップにつながっていく事例になっていくだろう。アイティメディアでは、今後もこういった試みは継続的に実施していくといっていた。
家族と会社が作り上げていくイベントが今後企業にとってどのような化学反応を起こしていくのか、とても楽しみである。

読み物コンテンツ

働き方白書について
仕事相談室について
極楽仕事術について
三者三様について
戦略的転職について
用語集について