企業風土

社員の健康がなぜ会社の「財」になるのか【瓦の目】

投稿日:2015年5月22日 / by

福利厚生と健康経営

healthc1健康経営」や「ウェルネス経営」を取り入れる企業が増加している。要するに人材を「人財」と捉え、投資という観点で従業員を大切にし、業績も安定させようという経営スタイルだ。福利厚生が、「ノー残業デイ」に象徴される効力ゼロの形だけのお達しだとすれば、健康経営では、体調によって勤務状況を業務命令で調整するくらい、両者にはトーンの差がある。

福利厚生がダメというワケではない。立派に機能している企業もたくさんある。だが問題は、そこに結果がコミットされていない点だ。「きょうは早く帰りましょう」と“ノー残業委員”の若手女性社員がかわいい声で呼びかけても、山ほど業務が溜まっていれば無視されて終わり。こうしたことが続き、当該の社員が健康を害しても、少し休んで終わるだけだ。

成長時代の日本は、こうしたことが常態化していた。それだけの仕事量があったし、それに比例して給与もアップした。だから、報われた。言うまでもないが、いまや、人口減少の成熟時代。無理をして体にムチ打って働く時間は変わらないが、それは、倒産しないために身を粉にするためだ。プラスを得るためでなく、マイナスを補てんするための虚しい労力。当然給与に反映されることはなく、やがて従業員の心身はボロボロになっていく…。

社員の健康を経営に紐づける意義

健康経営では、社員の健康を優先に考える。それもきちんと数値化しての管理だ。従って、体調がよろしくない社員は、強制的に業務をセーブさせられる。素晴らしいというよりも、経営全体を考えれば当然の指示といえる。なぜなら、不十分な体調では、生産性が下がるからだ。こうしたことを徹底してくと、結果的に、企業は、自身の事業内容自体を見直すことにもつながっていく。業務量はもちろん、提供サービス・プロダクツが社会に対して価値があるのか、持続可能なのか…。

会社は、社員の集合体だ。一人一人の社員が不健康なら当然、会社も不健康、つまり、業績にも悪影響が及ぶ。「不景気だから仕方がない」と業績低迷を嘆く前に、そもそも頑張る意識を高めるために会社構成員としての社員の状態を最大化する努力をしなければ永遠にモヤの中だ。社員の健康を無視し、売り上げのみを追求する「ブラック企業」が、かつての日本の経営モデルのなれの果てだとすれば、健康経営は、成熟時代における新たなスタンダーとなりうる闇夜を照らす経営スタイルといえるだろう。

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