働き方

業績は悪くないのに給与が横ばいです

投稿日:2015年10月15日 / by

~仕事・働き方のエキスパートがズバリお応えします~

<質問>

「給与がずっと横ばいですが、どうすべきでしょうか」

中途で入社しましたが、給与がほぼ横ばいです。成果報酬の会社ではないのですが、こんなものなのでしょうか。このままでは、今後の教育資金増大を考えても不安です。転職を考えた方がいいのでしょうか。一般的にはどうなのかも含め、もしも対策があるなら教えてください。ちなみに会社の業績は特に悪いワケではありません。(41歳男性)

 educos

【回答】

「大企業でも40代で頭打ちが今後ますます増加」

日本企業の多くが、成果報酬の導入如何にかかわらず、保有する能力に対する報酬の支払いから、現に担当する職務や役割に対する報酬の支払いに、報酬の支払い根拠を転換しています。おそらく質問者の所属する会社も例外ではありません。そのため、会社の業績の如何にかかわらず、質問者の職務や役割が会社においてより大きなもの、高度なものにならなければ、給与は今後とも変わらないでしょう。より端的に表現するとすれば、今後、上位のポストを獲得しなければ給与は一生変わらないということです。

一般的な傾向として、今後は大企業に勤めていても40代で給料が頭打ちという会社員はますます増えていくことが想定されます。なお、このような傾向がすでに一般化しつつあるので、仮に転職したとしてもそれが同一業界であれば、給与水準も大差はないはずです。ですから、転職先で同程度の役職を得ても給与はそれほど変わらず、以降上位のポストを得られなければ、給与はすぐに頭打ちとうことになります。ちなみに現在の人事のトレンドからすれば、会社の業績如何は都度、社員の賞与に反映し、短期的に清算してしまうのが一般的でしょう。

では、どう対策を講じるかという話になりますが、攻めの対策と守りの対策に分けて考える必要があります。まず攻めの対策とは、職業人としての能力を高めてより給与水準の高い他業界に転職する、社内でポストを獲得するなどです。他には同一業界に転職するとしても、副業や兼業を認めてくれる会社に転職するという手もあります。次に守りの対策ですが、フィナンシャル・プランナーなどとも相談し、ライフプランとかかる費用を洗い出して必要な資金が必要な時にまかなえるよう貯金をしておく、もしくはダブルインカム、トリプルインカムが得られるよう家族で話し合っておくなどです。

いずれにせよ、かつてのように結婚や子供の養育など、家族のライフイベントに応じて給与が上がる時代はもうやって来ないと考えて対策を検討してください。


新井健一<回答者プロフィール> 新井健一
1997年4月、大手重機械メーカ入社。人事業務全般に従事。1999年10月、アーサーアンダーセン/朝日監査法人(現 KPMG /あずさ監査法人)入社。 組織・人事及び業務改善に関わるコンサルティング及び教育に従事KPMGあずさビジネススクールにてシニアマネージャー、スクール長に就任。ビジネススクール責任者として事業経営の傍ら、コンサルタント、講師業務に従事。2010年11月、経営コンサルタントとして独立。東北六県を対象としたプロジェクトに従事し、仙台を拠点に活躍中。最近は旺盛な執筆活動も行っており、人事のノウハウをまとめた『日系・外資系一流企業の元人事マンです。じつは入社時点であなたのキャリアパスはほぼ会社によって決められていますが、それでも幸せなビジネスライフの送り方を提案しましょう』を発売している。

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