
「景気が良くなると思う」はわずか8%
消費動向に関する調査
アベノミクス息切れの声も聞かれる中、景気動向に関する興味深い調査結果が報告された。(株)クロス・マーケティング(本社:東京都新宿区、代表取締役社長:五十嵐 幹)が、全国47都道府県に在住する20~69歳の男女を対象に「消費動向に関する調査」を実施した。
同調査は、現在の消費者の暮らしの状況を、所得・消費・行動などの観点で過去と比較し、景気動向判断の基礎資料を得ることを目的に実施。2009年2月から2011年11月までは3ヵ月ごと、2012年からは年2回(4月もしくは5月と10月)行っている。
結果
生活実態の推移として【生活時間】項目の【労働時間】では、2010年5月を境に「労働時間が増えた」と回答した人の割合が高い傾向が続いている。【所得】項目の【給与所得】では、ゆるやかな増加傾向を見せていたが近年では伸びがわずかに鈍化。今回の調査では昨年度の調査を下回る結果となった。

いったん上昇した景況感も再び下落(調査はマーケティング・リサーチ会社のクロス・マーケティングが実施)
気になる今後1年の景気の見通しについては「良くなると思う」と回答した人はわずか8.1%に留った。今年5月の同調査との比較では、「良くなると思う」が5.2ポイント減少する一方、「悪くなると思う」が12.0ポイント増加しており、景況感指数は明かな減少傾向にある。
景気の先行きが不透明といわれて久しいが、期待されたアベノミクス効果も一時的な盛り上がりで、結局は広く庶民にまで恩恵が行き渡る前に失墜したことを示すような厳しい結果。裏を返せば、もはや他力本願では、「安定」は難しいことを暗示しているといえる。
調査では、労働時間が増えて所得が減少する傾向もみえ始めており、もはやこれまでの働き方では成果が出ないことも明白になっている。我慢すれば、状況は改善される。すでにそんな時代は終焉している。厳しいようだが、まずその現実を受け入れなければ、前へは進めない。