企業風土

愛社精神ならぬ「愛社員精神」を実現させている企業

投稿日:2014年7月15日 / by

株式会社アドウェイズ 西久保氏 遠藤氏

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「金儲けより人儲け」という経営理念の下で、社員に働きやすい環境を提供している株式会社アドウェイズでは、人事戦略室という部署が存在し社員と会社を上手につないでいる。その中で生まれた「愛社員精神」という制度について今回は詳しくうかがった。


アドウェイズが考える愛社員精神という取り組み

西久保氏と遠藤氏アドウェイズでは2014年4月より「愛社員精神」という制度を立ち上げ、いろいろな取り組みを行っている。会社のためにがんばってくれている社員、そしてそんな社員をさらに支えてくれている家族の誕生日に、お祝いとしてお米をプレゼントする「Happy Rice」がまず導入され、社員から好評を得ている。
他にも社員一人ひとりにスポットを当てることを目的とした「HERO OF ADWAYS」という取り組みも実施している。このことについて遠藤氏が詳しく教えてくれた。

遠藤氏「半期に1回の総会で通常のMVPとは別に、模範となるような輝く社員・今後活躍が期待できる社員を一人選出して、賞与ではなく「名誉」をということで、その功績を映像化して全社員に向けて上映しています。出資会社に映画やPVの制作を行っている会社があるので、そこと連携して本格的なドラマみたいなものを15~20分ぐらいの時間を使って流すんです。やはりこれだけの人数になってしまうと、誰が何をやっているのかが他の社員になかなか伝わりづらいので、個々の役割をはっきりと明示させるためにも、役立っている取り組みですね」

自分の仕事についての功績を映像として一生残せる。これは、人生の中で簡単に体験できるものではない。そういった素敵な体験を社員にプレゼントできるのもアドウェイズならではの制度ではなかろうか。
すべてはアドウェイズで働く社員のために考えられた制度であり、今後もいろいろな試みを制度化していきたいと西久保氏はいう。

西久保氏「結局、人ベースで何でもやるっていうのがアドウェイズのスタイルで、
「おっ、いいじゃねぇかよ。やろうじゃねぇか」っていうのが基本姿勢としてあります。
だいたいの物事が喫煙室か立ち話しで決まる雰囲気がありますね。あと、代表の岡村と週4で行ってる歌舞伎町のルノアールとかで。水出しアイスコーヒーを飲みながら決めてます。

それこそ、育児休暇であったり、在宅ワークであったり、社員からこういうのがやりたいとか、導入して欲しいという相談があった場合には、本当に柔軟に対応しています。しかし、それを特に表立って制度化しているわけではないんです。今まで『私こういうことで悩んでるんですけど、なんとかなりませんか?』と言ってきてくれた人には対応できたんですけど、なかなかそういうこと言えない人の方が多いじゃないですか?言ってきてくれればそんなこと大きな問題でもなかったのに、諦めて退職してしまうみたいなことが今まで、意外と多くて。。。いくつも悔しい思いをしてきました。なので、そういうのを制度として可視化したものにしていくのが人事戦略室の仕事だと思ってます。ただ、制度として見えるようにしてしまうと、中には誰かが不利益を被るような制度もあります。あちらを立てればこちらが立たずみたいな。仕組みを造っていくのは本当に難しいなって痛感しているんですが、これは人事戦略室の至上命題なので、しっかりとやっていきます」

変わることのない「金儲けより人儲け」の文化

質問に回答してくれる西久保氏と遠藤氏遠藤氏「キーワードとして、「金儲けより人儲け」というところに基本は属しています。HERO OF ADWAYSもそうですし、愛社員精神もそうですし、ジョブローテーションもその1つですね。社員の夢を応援すること、社員の幸せを考えること、仕事においてチャンスを与えることを考えて会社全体でもっともっと動いていきたいと考えています。新卒の採用についても、選考を受けていただいている方に対して、お互いしっかり理解し合いたいという気持ちが強いので、初めにグループディスカッションを経て4回もの面接を行っています。1次から3次面接までは1回1時間、最終面接は約2時間という形でやっています。「人儲け」って言っているからには、例えば『集団で15分間』で終了ですと、本当にその人のことが理解できたのだろうか?という状況になってしまいます。ですから、こういった面接体系も「人儲け」の有言実行として続けていきたいんです。そこは絶対に変えない文化です。凄く時間はかかりますけど変えない文化ですね」

「金儲けより人儲け」そして「愛社員精神」を掲げるアドウェイズ。社員それぞれがいろいろと考え、目的を持って仕事をしていくことに対して会社が全面的にバックアップする体制が整っていると遠藤氏と西久保氏は語ってくれた。

今の世の中では転職が当たり前になっており、一人の人間が同じ企業で長い間働いていきにくい傾向にあるようだ。その原因としては、仕事の多様化であったり、生活の多様化であったりとさまざまな要素が絡まっていることが見受けられる。そういった社会に順応するために企業側としては、社員の働きやすさや、仕事のための目的を明確にしていくための環境づくりをしていかなければならなくなっている。
これからも多様化していく社会において、素早く柔軟な対応ができるかどうかが、企業として重要になってくる。アドウェイズではその時流を既に汲み始めており、企業と社員とのバランスを取りつつ、いろいろな施策を行っているのがわかる。それは、人事戦略室が上手に機能しているからといっても過言ではない。

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第一回:戦略的人事?人事戦略室を持つ企業の働き方
第二回:愛社精神ならぬ「愛社員精神」を実現させている企業
第三回:社員の健康を気遣い社長が始めたイベントとは
第四回:役員が子供だけの会社「アドウェイズベイビー」が牽引する社員のための働き方とは

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