企業風土

「日本でいちばん大切にしたい会社」のすごさとは

投稿日:2015年3月20日 / by

「第五回 日本でいちばん大切にしたい会社」大賞授賞式

「日本でいちばん大切にしたい会社」大賞の第五回目の授賞式が2015年3月20日、都内で行われた。経済産業大臣賞、厚生労働大臣賞、中小企業庁長官賞、実行委員長賞各1社、審査委員会特別賞9社の計13社が表彰された。

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 同賞は、日本経済に、日本の全ての働く人に、本当に活力を生み出すために「正しいことを、正しく行っている企業」を表彰する。それだけに、その敷居は非常に高く設定されている。

評価するのは、人を幸せにする経営に違いない。だが、その「人」は、従業員とその家族はもちろん、外注先・仕入先、顧客、地域社会、株主にまで及ぶ。さらに応募資格は過去5年以上に渡り、(1)人員整理、会社都合回顧がない、(2)下請け企業仕入先企業へのコストダウンを強制していない、(3)障害者雇用率が子法定雇用率以上である、(4)黒字経営である、(5)重大な労災がない、となっている。

審査委員会委員長を務める坂元光司法政大学大学院教授は、審査について、「よく厳しすぎるともいわれますが、この書類選考でかなり絞り込みます。その後、最終審査に残った企業に対し、審査委員が経営トップにヒアリング。そして、実際の風土などを見極め各賞を決定する流れです。自薦他薦OKですが他薦が多いのが特長といえますね」とプロセスを説明した。その名に違わぬ企業選定などもあり、注目度は年々上昇。今回から新たに、厚労大臣賞が創設されるなど、影響力も高まりつつある。

正しいことを正しく行った企業

経産大臣賞受賞の(株)マルトは、地域密着のスーパーなどを展開する企業。東日本大震災の際、本部からでなく社員自らが店を開けることを決め、再開するなど地域のライフラインを守ることを使命に動く風土づくりがしっかり根付いていることなどが評価された。障害者雇用率35.3%と法定雇用率を大幅に上回る(株)クラロンは、創業時から多くの障害者、高齢者雇用を実現し、社会にも大きく貢献していることなどが高く評価された。中小企業長長官賞の清川メッキ工業(株)は、誰もが働きやすい職場環境の実現と自社が確立した技術を業界発展のため、同業他社にも伝える活動などが評価された。

新設の厚労大臣賞の初受賞となったクラロンの田中須美子会長は、「60年前に会社を創設した亡き主人と子供たち(従業員)に早く知らせたい」と喜びを明かし、その後のスピーチで障害者社員との強いきずなを示すエピソードを語り、聴衆の感動を誘った。

正しいことを、正しく行う――。受賞企業は、まさにこの言葉を徹底した企業が揃った。売り上げでなく、従業員の満足度。世界一でなく、顧客にとってのナンバーワン。要素はほかにもいくらでもあるが、どこを向いて経営のかじを切るのか…。短期的には同じ結果になったとしても、その舵取りを誤れば、「そんな会社あったなぁ」と記憶の片隅に残るかも微妙な存在にしかならない一方で、正しく舵を切れば、社員はもちろん、消費者、取引先…誰からも愛され、「大切な会社」として末長く存続することになる。受賞企業は、その確かなエビデンスであり、「参考にすべき会社」でもある。

受賞企業一覧

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