
就活生が行きたくない会社の4大悪とは
嫌われる会社の4大項目
嫌われる会社は「暗い」、「キツイ」、「長い」、「休めない」。マイナビ(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:中川信行)は、2016年卒業予定の学生を対象とした「2016年卒マイナビ大学生就職意識調査」の結果を発表した。調査対象は、2016年3月卒業見込みの全国大学3年生、大学院1年生。回答数は12,526名。
恒例の調査があぶりだした行きたくない会社は、1位「暗い雰囲気の会社」(36.0%、前年比0.3pt減)で16年連続、2位は「ノルマのきつそうな会社」(31.0%、前年比0.8pt減)で9年連続。もはや万年トップ2状態だが、ともに減少傾向にある。一方で「休日・休暇が取れない会社」(27.4%、前年比1.6pt増)、「残業の多い会社」(11.4%、前年比1.1pt増)が、トップとは差があるものの、4年連続の増加。嫌いな会社の要注意項目となりつつある。
上記の4項目は、確かに入る会社としてできるだけ避けたい。そもそも、ブラック企業にそのままあてはまりそうな項目ばかりだ。しかも、ひとつでも当てはまると、全てが連動しそうだから恐ろしい。ノルマが「キツイ」ということは、結果を出すために労働時間が長くなるし、休みも取りにくい。結果、社員が暗くなる。休みがとりにくいということは、ノルマがきつく、残業が多くなり、雰囲気が暗くなる、といった具合だ。
入りたい会社に求めるものは?
では、どんな会社なら入りたいと思うのか。まず、企業規模について。大企業志向は42.9%で前年比2.0pt減少。「中堅中小企業を志向する学生」(「やりがいのある仕事であれば中堅・中小企業でもよい」(42.6%)+「中堅・中小企業がよい」(9.9%))は52.5%で前年比1.9pt増となった。学生の志向は、着実に大企業というより、やりがいを重視する傾向になっているといえる。
もう少し具体的な企業選択のポイントもみてみよう。前年のトップ3位、「自分のやりたい仕事(職種)ができる会社」(40.2%、前年比0.1pt減)、「安定している会社」(26.3%、前年比1.0pt減)、「働きがいのある会社」(17.6%、前年比2.1pt減)はいずれも減少。代わって「社風が良い会社」(17.8%、前年比1.4pt増)、「勤務制度、住宅など福利厚生の良い会社」(12.4%、前年比1.1pt増)が増加した。
ここからみえてくるのは、居心地の良さを非常に重視しているということだ。大手にこだわらず、やりがいを重視し、社風がよく、福利厚生が充実。働く環境としては、これ以上ないくらい恵まれた状況を望んでいる。かつては、大手企業なら自動的に当てはまっていたような環境だが、いまは昔。その意味では、昨今の不透明な景気動向が、色濃く反映された結果といえる。
それにしても、過剰なまでに厳しい労働環境を嫌悪しているような結果だ。ブラックバイトにブラック企業、売り上げが上がっても個人の収入に反映されづらい情勢…こうした不遇ともいえる時代に生まれたが故に、せめて社会人生活は明るく、楽しく、そしてプライベートの時間もしっかり確保できる働き方をしたい、という欲望が半ば本能的に強くなってしまうのかもしれない…。