
ハッピーエンドの企業整理は可能なのか…
お毒 どんどんチン下げで秋には希望退職3000人超、もはや経営再建というより、企業解体って感じね。
猫田先生 シャープの話だろ。一般社員の基本給を2パーセント程度下げて、今冬のボーナスは昨年の半分の1か月分なんだってな。さらに45歳以上対象の3000人超の希望退職募集だろ。いや~、同社にとって初めてのことじゃないが、こんな状況で「頑張ろう」とはさすがに思えんだろうな。
お毒 閉店間際の大整理みたいな感じよね。その気はなくても雰囲気に流されて思わず希望退職の手を挙げる人が増えるんじゃないかしら…。
編集部ニシ 3年前に基本給の削減で随分と人件費を圧縮してるんですが、さらに賃下げですからかなりきついですよね。一時業績が回復もしたんですが、一瞬って感じでしたね。基本給減に加え、残業や休日出勤の割増額も引き下げ、福利厚生も休止するものがあるみたいです。もはや、贅肉処理という名の企業の規模縮小ですよ。
お毒 おごれるものは久しからず、ではないでしょうけど、一時は飛ぶ鳥を落とす勢いで大企業の地位と名声を欲しいままにしていたのに今は昔ね…。経営って難しいものなのね。
編集部ニシ まさに大企業病でしょうね。こんな状況でも役員報酬はキッチリ出るみたいですけどね。小さいときは小回りも利いて、新しいことにもどんどんチャレンジする。でも大きくなるとなにかとチェック機能が分厚くなって風通しが悪くなる。結果、自由な雰囲気は息苦しく変貌して、斬新なアイディアも出にくくなってしまう。かつてザウルスで一世を風靡しましたが、巨大化して身動きがとりづらくなり、滅亡した恐竜の末路とダブるのは皮肉ですね。
猫田先生 シャープは知名度があるから目立つが、こういう状況で苦境にある企業はいくらでもあると思うぜ。企業の寿命はいま、どんどん縮まってるわけだけど、結局は人件費を補えるだけの売り上げを上げれないのが原因だからな。業績のいい企業にはいい人材が集まってさらに儲かり、悪い企業からは人が離れ、格差がどんどん広がっていく。もはや正社員という言葉も「安定」とイコールではなくなっちまったな。
ニシ とはいえ、腐っても鯛とは言いませんが、やはり認知度のある大企業の離職者は、それなりにニーズがあります。優れたノウハウを持っている優秀な人材は普通に探してもなかなかいませんが、同社の退職者に絞れば、より高い確率で見つけることはできるハズですよ。ま、いまやメリットはそれくらい、ともいえるんですけどね。
猫田先生 思うんだが、大企業はプライドや世間体もあってか経営再建に取り組もうとするんだが、逆にいいきっかけとして会社を分割するとかして、人員を再配置した方が、いい効果が期待できるんじゃねぇかな。それぞれは小さくなるかもしれんが、やりたいことごとにいくつかに分けれるなら、秘める可能性は大きいと思うぜ。かつての栄光にすがってもダメなものはダメなんだからよ。
お毒 おブスが頑張ってメイクしても大して変わんないから、整形しちゃう感じかしら…。
ニシ 全然違います。仮面夫婦を続けるんじゃなく、離婚してお互いに自分らしく生活していく、という感じじゃないでしょうか。
お毒 体裁を気にしたり、意地を張るんじゃなくて「素直になれ」ってことね。