企業風土

あなたは辞めた会社に戻れますか? 【働き方白書】

投稿日:2015年3月18日 / by
やはり辞めた会社には戻りたくない人が多いようです

やはり辞めた会社には戻りたくない人が多いようです

卒業のシーズンです。いまの会社一筋という人も多いでしょうが、昨今は転職の敷居も随分と下がりました。 今回の瓦版「働き方白書」では、「辞めた会社に戻りますか?」をテーマに質問し、退職の深層を透かし見てみます。

回答者は125人。男性65人、女性60人。年代は、20代33人、30代56人、40代28人、その他8人、でした。では見てみましょう。

結果は、「戻る」が36%、「戻らない」が64%でした。理由はともかく、辞めたことを考えれば、妥当な結果といえそうです。では、理由はどうなっているのでしょうか。

まずは「戻らない」と回答した人から。「そこが嫌で退職したので」、「ネガティブな感情を持ってやめたため」、「ブラック」、「会社の方針が合わない」といった、修復不能型が多く並びました。そうした中で「公務員でした。感謝していますが、もう昔と違う人間になってしまったので」という声も。「結局は同じことの繰り返しになりそうだから」という恋愛にもあてはまりそうな回答もありました。

「戻る」人の理由はどうなのでしょうか。「イキイキしていたから」、「自分らしい生活ができていたから」、「楽しかったから」、「昔いた会社の良さを再認識した」と後悔型が目立ちました。「女性がおらず、良好な関係を築けていた」という回答もありました。「いまは転勤族だが、やっぱり地元に根を張りたい」という声もありました。

2つの結果から透けて見えるのは、嫌で辞めた人には迷いがなく、ステップアップを目指すような転職の場合は、やはり失敗リスクがあるということです。正確にいえば、ステップアップ型転職は前職にネガティブな感情が少ない分、ダメだった時の落胆が大きいということでしょう。

とはいえ、見逃せない点もあります。「戻りたくない」人の回答のほとんどが、決していまの会社に満足しているわけではないということです。嫌だった前職から離れられたことがひとつの満足になっている節はあります。そうだとすると、決してハッピーとはいえないのかもしれません。

昨今は、優秀な人材を確保すべく、出戻りを許容する企業も増えています。「アルムナイ制度」という仕組みもあります。「アルムナイ」は、本来は「卒業生、同窓生、校友」の意味。転じて「企業の離職者、OB/OGの集まり」を指します。一度離職した社員を再雇用する人事制度です。

最初に入った企業と相性良く、定年まで勤められれば、企業にとっても社員にとってもハッピーです。しかし、仕事には実際にやってみなければ分からない、良くも悪くも不思議な魔力もあります。仮に仕事がフィットしても人間関係という難題も待ち受けています。一人でも多くの人が“天職”に出会えるいい仕組みができれば、社会にも活力が出てくる思うのですが…。労働市場にどっかり横たわる難題です。

 

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