企業風土

2時間から1年まで。多様化する休暇制度の実態

投稿日:2014年2月18日 / by

過度労働型残業超ロング? ベリーショート? アナタはなに休暇派? ワークライフバランスの重要性が再認識される中、各企業でさまざまな休暇制度が導入されている。2時間休暇から1年休みまで、多様な休暇をチェック!


まずは、アウンコンサルティングのクォーター制度。時間単位で取得するユニークな休暇制度だが、その単位はなんと2時間。例えば、朝9時から11時、14時から16時など細切れで休みを取得することができる。

どんな場合に活用するのか。例えば、病気やけがの療養、家族のけがや病気の看病のほか、早めに退社してコンサートや映画の試写会へ行ったりするという。2009年の導入以来、その取得率は89%といい、1日休むほどでないちょっとした用事などの際に、社員に有効活用されているようだ。

アウンコンサルティング調査同社はこの制度についてアンケートを実施している。活用有資格者39人への「満足度」についての質問では、「絶対必要」が28%、「あれば便利」が56%。従って、8割以上が同制度を「満足」と評価していることになる。

また、取得頻度は半年に1回が38%でトップ。2か月に1回24%、3か月に1回が19%と続いている。細切れの割に意外に活用頻度は低い印象だ。活用しない人への質問も行っている。「有休を取得できている」37%、2時間休むなら半日もしくは1日休みたい33%、とある意味もっともな結果となっている。

対照的なのが、アルス株式会社だ。同社ではなんと、1年の休暇が取れる。条件は入社10年で無給となるが、最大級の休暇といえるだろう。同社はもともと休暇取得には力を入れており、「一か月の夏休みと2週間の冬休みをとれる会社」を掲げている。

休暇取得にこだわる理由について同社児玉民行社長は「海外では有休に対する考えがまるで違う。しっかり取ってリフレッシュするのが常識」とイギリス出向時代の経験から、休暇に対する意識が強くなったことを明かしている。これだけ休暇を取得する企業文化とあって、メンバー間のフォロー体制が確立されており、業務には全く支障がないそうだ。

そもそも休む日数が多い会社もある。変態企業カメレオンでは週休3日制を導入している。きっかけは「水曜日が祝日の時、1週間が非常に快適だったから」(福留代表)。確かに土日休んで月曜火曜と出勤。中日の水曜日に休んであと2日頑張れば週末が来る。このサイクルは、疲れる前に休みが来るのでとても快適かもしれない。

図書印刷は少々変則ぎみだが、週休3日制が可能となっている。同社のダイバーシティ勤務制度は、始業時間を5通りから選択でき、例えばそれによって1日の労働時間を増やせば、毎月の休日数へ転換でき、週休3日も可能になる。面白いのは、1日の労働時間を2時間増やし、週休3日に移行した場合、総労働時間が約1割減ったという事実。ダラダラ残業の元凶は、実は制度そのもののユルユルさにあったということなのか…。

これら以外にも各企業が取得を促進すべく、様々なアイディアを駆使している。取得する際に「上司を笑わせることが条件」という企業もある。よく働き、よく遊ぶ。健全な魂は健全な身体に宿るというが、健全な休暇取得に健全な経営が宿ることは間違いないだろう。

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