企業風土

社員が会社全体を動かす試み「ワーキンググループ」

投稿日:2014年5月2日 / by

ワーキンググループが発足した経緯

株式会社ネットプロテクションズ 秋山氏 五十嵐氏

np-interview1ワーキンググループができた理由は大きく二つあった。一つは、若手が進んでチャレンジしていける環境を会社側で創っていきたいという想いと、もう一つは会社を社員全員で創っていきたいという想いである。この二つが合わさり、ワーキンググループがスタートした。
ネットプロテクションズが行っている事業は、決済という社会のインフラとなる手堅いビジネスモデルの一つである。さらに、顧客は年々増加しており、企業の舵取り次第では、サービスを利用する企業を始め多くの人に影響を与えかねないビジネスなのである。つまりはイージーミスが命取りになるのだ。そのため、なかなか若手にいろいろなことを任せたり、チャレンジをさせたりしにくかった。
その一方で、採用をする際には優秀なメンバーを選りすぐっているため、社員側からはもっとチャレンジをさせて欲しいという声が当然のように上がってきたという。
そこで、ネットプロテクションズは、事業に関連しつつもビジネス的にそこまで大きな影響がでない部分を若手に任せ、チャレンジできる場を提供していくことにした。

1. 新卒採用をワーキンググループで行う

ネットプロテクションズには、新卒の採用をメンバーが行うといったワーキンググループが存在する。通常であれば、人事部の人間や役職者、チームリーダーが採用についての役目を担っているものだが、ネットプロテクションズでは有志のメンバーが採用を行うというものだ。
過去、秋山氏が人事において新卒採用を担っていた時に、どうしても「人事が企画をする側で、メンバーがお客さん」という形になってしまうことが多かったらしい。メンバーの当事者意識が欠けがちだったため、みんなで会社をつくるという理念から外れてしまう気がしたという。
採用とは新しいメンバーを集める活動なので、人事だけでやる必要はないのではないかと考え、新卒採用というワーキンググループを発足させた。

2. わくLab.という社内の風土形成を行うワーキンググループ

他にもわくLab.(わくわくとワークをラボする)という名前のワーキンググループが存在する。ネットプロテクションズ社内の風土形成をするのが目的のグループであるが、こちらも当初は人事の仕事であった。しかし、人事だけが風土形成したところで、実際にそこで働く人たちの環境に対して100%考慮できるものにはならない。
社員自身が社内風土の良し悪しについて、きちんと考えながら形成していかなければ、本当に必要なことは見えてはこないのだ。そこで、わくLab.のメンバーは他社へ訪問も積極的に行い、どういった経緯で訪問先における風土が作られていったのかなどについての取材も行うという。他社の風土が形成されていったいきさつを、自分たちの社内風土に積極的に生かして行こうという姿勢がうかがえる。
風土を変えていくための課題はたくさんあるが、それを社員自身の手でクリアしていこうという気持ちが、ネットプロテクションズという会社自体の団結力を強くしている。

ワーキンググループが社内に良い影響をもたらす

ワーキンググループは通常業務でかかわるメンバーとは違ったメンバーが集まる場所である。そのため、今までかかわることがなかった人の強みを知ることができたり、すでにかかわっているメンバーとの間でも意外な一面を発見したりすることができる。またワーキンググループを行うことによって、部署にとらわれないコミュニケーションが生まれ、会社がより一丸となって業務に取り組めている。
ネットプロテクションズでは、もともと社員同士のコミュニケーションは取りやすい環境下ではあったが、一つの業務を一緒にやるとなると話は別である。また中途採用で入ってきた社員から、新卒で入ってきた社員が学ぶことも多かったという。

ワーキンググループを行うにあたって社員のリソースを割くことが一つの問題であった

社内図書

図書の購入制度もあります

ワーキンググループを発足するに当たって、何もかもがスムースに進んだわけではない。一番多かった声は「ワーキンググループに時間を割いてしまうと、本来の業務がおろそかになる」または「リソース不足になる」といったものだった。
実際会社全体を見渡しても、社員のリソースに余裕があったわけではなかった。しかし、当時会社が抱える問題として若手がチャレンジできる場を提供できていないと、せっかく集めた優秀な人材が辞めていってしまうという課題があった。そのため、柴田社長自身が音頭を取り「ネットプロテクションズにとってこの活動は必要だからやるぞ」と強く発信することで実現に至ったという。

鶴の一声で始まった企画ではあったが、この企画が発足することによって、会社を辞めていくものはいなかったという。ただワーキンググループが実施された直後には、最初にルール付けをした8対2という割合をしっかり守るよう求める声はあがっていた。
なぜなら、いくら業務割合を2割と定めたとしても、どうしてもその割合を超えて活動してしまう社員が多数いたからである。
ネットプロテクションズにおけるバリューの一つ「最高にこだわる」というものがある。これは何事でも全力でこだわって遂行しようという心構えで、たとえワーキンググループであろうとも全力で取り組もうと考えていたのだ。そのため、通常業務に影響を及ぼすまで頑張ってしまう社員が増え、ワーキンググループに入っていないメンバーや管理マネージャーからお叱りの声を受けたことがあったのも事実である。

また、ワーキンググループは立候補制で成り立っており、現在の新卒採用に関しても「採用活動をしてみたい」と自ら手を挙げた者たちが集まって活動している。しかし、通常業務とのバランスを取ることが難しく苦労している姿を見かけることもある。ワーキンググループの導入はうまく浸透したからこそ、この課題を解決していく為に何が必要かを、活動しながら今後も考え続けていく必要があると考えている。

「ワーキンググループはトライアルで少しずつやってみるという形を取らずに、一気に導入し動かしたことが導入の一番の成功要因だった」と秋山氏は語ってくれた。
中途半端に行ってしまっては、自分がそのメンバーであるという当事者意識が芽生えない。
社長も積極的にワーキンググループの導入を推進しており、そのことによって社員が気兼ねなくグループに参加できる環境が整った。それに、一つのグループに関して、メンバーの制限を設けなかったことも良い影響を与えているという。

会社全体を動かしていくワーキンググループへ

ブラックボードには歓迎の文字

ブラックボードでお出迎え

今後、ワーキンググループでは人事的な部分だけではなく、予算策定や会社のブランディング、広報などの業務も行っていきたいという。ワーキンググループが会社全体を動かしていくイメージだ。
現在、ネットプロテクションズでは後払い決済のビジネスから派生して、新たなビジネスを作っていこうという動きがある。その中の一つは、ネットプロテクションズ後払い利用者向けにポイント会員制の仕組みをつくり、そのポイントを商品に交換できたり、キャンペーンに応募できたりするサービスを展開することである。
こういったプラットフォームが出来上がってくると、さらなるビジネスチャンスが生まれてくる。だからこそ、ワーキンググループでビジネスプランコンテストを実施することも検討しており、さらなるチャレンジの場にもつながるだろうと考えている。

「トップダウンで『これをやって』といわれて、仕事をするよりは、自分で『これがやりたい』と思い。自ら手を挙げた人に任せるほうが、モチベーション的にも良い仕事ができますし圧倒的な成果に繋がります。今の世の中では流されて働いている人がとても多く、実際『Will Can Must』のどの視点で仕事するか?と問いかけたとき、会社の組織的にMustに縛られてしまう人は多いのです。しかし、ネットプロテクションズではWillを大事にしています。志を尊重するという部分だけでなく、ビジョン作成するときに『全員が経営者であり、自分の会社だと思うこと、そしてこの会社をよりよく経営する為になにが必要で、何が大事か』当事者意識を持って考えるようにしているからです」

秋山氏が言うように会社が社員に仕事を与えるのではなく、社員が会社を動かしていくことがこれからの社会で重要になっていく。言葉にすれば当然のことのように聞こえるだろうが、実践しようとすればなかなかうまくいかないものである。
現代社会では、企業に縛られ上司に言われるがまま働く者が多数存在している。そういった人は自分で考え、行動することがなかなかできないのだ。そんな社会情勢の中、ネットプロテクションズは社員の持っている可能性と能力を信じ、さまざまな仕事を任せるという試みを行っている。一般的に見てこれはとても勇気のいることである。しかし、社員に当事者意識や責任感を持たせるためにもこういった取り組みは、今後どの企業にとっても必要になってくるのではないだろうか。


黄色い会議室

それぞれテーマがある会議室。
こちらには珍しい黄色いホワイトボードがある

ここでみな働いています

オレンジ色のカーペットをはさむ形で
デスクが配置されている。

くつろぎの空間

社員がリラックスできる場所。
人工芝で覆われたスペースが広がっている

アクアリウム

エントランスにはアクアリウム


netprptections-logo【会社概要】
社名:株式会社ネットプロテクションズ(Net Protections,Inc.)
代表取締役社長(CEO):柴田 紳
設立: 2000年1月
所在地:
東京都中央区銀座1-10-6 銀座ファーストビル4階
事業概要:後払い決済サービスの運営
企業間決済サービスの運営
会員制事業の運営
クレジットカード決済サービスの運営
URL : http://www.netprotections.com/

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