働き方

増大するミドル世代の異業種転職。成功させるための3つのポイント

業種はタテ移動からヨコ移動。報酬はヨコばい

ミドル人材の流動化が進む中、転職先として異業種を選択する人が増えている。エン・ジャパンが、同社が運営する「ミドルの転職」上で実施した転職コンサルタント(n=117)へのアンケート調査で判明した。

エン・ジャパン調べ

「異業種への転職を実現したミドルがいる」と回答した転職コンサルタントは68%。7割に迫るこの数字は、2017年より9ポイントのアップ。2015年との比較では12ポイントのアップとなっている。ミドル転職の活発化と並行し、その行先として異業種を選ぶ傾向が年々高まっていることは明白だ。

エン・ジャパン調べ

かつては、ミドル世代といえば業界経験を活かし、同業他社への報酬アップもにらんだ転職が一般的だった。だが、異業種転職では、年収は「変わらず」(38%)、企業規模も「大企業→中小企業」(62%)がトップで、お金よりやりがいを重視していることが透けて見える。産業構造の変化により、メーカーからIT系、もしくはその逆ルートのニーズが増大していることもその背景あると考えられる。

ミドル人材だけに企業が求めるのはもちろん、「経験職種での専門知識・専門スキル」(73%)がトップだが、続くのは「新しい環境でも主体的に動ける行動力」(52%)となっている。この点は、転職の成否にかかわりそうな部分なので、検討しているなら、しっかりと我が身を振り返る必要はあるだろう。

異業種転職を成功させるための3大ポイント

その上で、異業種転職を成功させるために必要なポイントは、どこにあるのか。アンケートに協力した転職コンサルトは、次のようなアドバイスを送る。

1:初心忘れるべからず

「経験やスキルを活かして、という意気込みや自負することも必要ですが、何よりまずは ”人として” だったり、新しい会社に入る上では “初心を忘れず” という基礎的な心構えが案外問われます。年齢が上がるにつれ反比例してしまうこういった点が、注意すべき点です」。これは、ミドル転職を成功させるために不可欠な心構えといえるだろう。

2:環境が劣ることもしっかり考慮して対応する

次のような助言もある。「地方や中小企業への転職では業務内容、職場環境が思っている以上に ”整備されていない”、 “何もない” ことが多いため、仕事内容はこれまでの業務領域からの拡大を考慮しておかなければなりません」。この点は分かっているようでうまく消化できない人も多く、“期待外れ”の評価を受けることもあるので十分認識しておこう。

3:まずは信頼を勝ち取ることに全力

最後に、当たり前のことだが肝に銘じておくべき忠告として「いままでと違う会社でこれまでの常識は通用しないし、これまでの実績も通用しません。まずは信頼を勝ち得ていくところから」とズバリ。10年近いキャリアを積んだ業種を離れるのだから、それだけの覚悟がなければ成功はない――。この点をしっかり飲み込んだ上で、環境変化にブレず、自分のキャリアを存分に発揮するメンタリティこそが、成功への必要最低条件といえるだろう。

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