働き方

6割以上の求職者がするという10連休中の転職活動。その切実な理由とは

バカンスより転職活動をする求職者の本音

(株)リクルートキャリア(本社東京都千代⽥区、代表取締役社⻑⼩林 ⼤三)は転職情報サイト『リクナビNEXT』の登録者を対象としたアンケート「2019年のゴールデンウィーク転職活動実態」を3⽉下旬に実施(回答=744名)。このほど、その調査結果を発表した。

リクルートキャリア調べ

目前に迫ってきた2019年の黄金週間(4/27~5/6)は海外旅行派が増大ともいわれるなど、10連休と超大型。ところが、転職活動中の求職者は、バカンスには目もくれず、その6割以上が「転職活動を実施する」と回答した。それも年代による大きな差はなく、全年代において高い結果となっている。

増えない報酬、余る中高年、進む産業構造のシフトなどの要素が絡まり合い、現状からの変化を多くのビジネスパーソンが潜在的に求めている表れといえるのかもしれない。それを象徴するのが、なぜゴールデンウィーク中に転職活動を行うのかについての回答だ。

休まず転職をする理由のダントツトップとなったのは

断トツのトップは、「早く転職がしたい」(67%)だった。大型連休でじっくり時間が確保できる(46.4%)ため、腰を据えて転職活動ができるのは確かだが、「早くしたい」というのは切実だ。その本気度は、GW中の活動で困ること、苦労することにも表れている。

リクルートキャリア調べ

「休みに入り面接が受けられない」(20代男性)、「連絡が取りにくい」(20代男性)、「いくら活動しても結局休暇後に対応になる」(40代男性)と活動する求職者は、できることならGW中に決めてしまいたいといわんばかりだ。

リクナビNEXT編集長の藤井薫氏は、こうした状況を次のように分析する。「調査結果からは、⼤型連休中にすばやく・しっかり未来の⾃分に向き合いたい求職者の本⾳が⾒えてきます。今の求職者は、「多様」で 「多忙」。⼈⽣100年時代の中で、その時々のライフステージに 応じ、⾃らの持ち味を活かせる企業・仕事・働き⽅を『多様』な基準で選ぶ。その時ネックになるのが、『多忙』ゆえの活動時間の捻出 。この本⾳にどう向き合うのか。企業の採⽤進化が試されています」。

企業にとっても、いまや人材確保は大きな課題。それだけにこれだけ求職者が前のめりな状況なら、柔軟な採用体制を構築しなければ、取りこぼしも止む無しということだ。

とにかく早く転職したい…。この調査だけではその本音まではみえてこないが、企業寿命がどんどん短命化し、ミドル世代のリストラが相次ぐなど、社会全体で大きな何かがうごめいていることはひしひしと感じられる。それだけに、大型連休といえどのんびり休む気にはなれず、いてもたっても、いられない。それが転職に前のめりなビジネスパーソンの胸の内なのかもしれない…。

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