働き方

人工知能が人事領域に入り込む意味とは

戦略人事クラウドとは

ビズリーチは2016年6月14日、戦略人事クラウド「HRMOS(ハーモス)」をリリースした。第1弾として、企業の採用管理を行う「HRMOS採用管理」を投入。求人作成、進捗管理、リファーラル採用(社員紹介採用)などの採用業務の効率化をサポートする。併せて、サービス成長の促進を視野に、セールスフォース・ドットコムとの業務提携を発表した。

左からビズリーチ竹内氏、YJキャピタル平山氏、セールフォース・ドットコム浅田氏、ビズリーチ南氏

左からビズリーチ竹内氏、YJキャピタル平山氏、セールフォース・ドットコム浅田氏、ビズリーチ南氏

同サービスは、人材の採用から育成、登用、評価までを最適化するクラウドサービス。企業の人事業務における非効率をなくし、意思決定を促進できるよう人工知能(AI)がサポートする。データの一元化やルーティン業務削減などにより、ムダな時間を排除。労力を経営戦略に基づく人事の実践に集約させるなどで、経営の効率化・生産性の向上を実現する。

「これからは人事領域においてもデータが不可欠の時代。バラバラだった情報を一元管理し、非効率を排除することで、最適な戦略を描くことができる。事業戦略と同じように人事戦略を描ければ、人事は経営の武器になる。それを実現するのが戦略人事クラウド『HRMOS』です」と同社南壮一郎社長は力説する。

採用の最適化を人工知能が支援

第一弾となる採用管理モジュールでは、ムダの多い採用業務を大幅に効率化することが期待される。とりわけ、属人化しやすい人事を、人のデータに基づいて最適化の上、可視化。誰もが正しい意思決定を行うことを可能にし、迅速でブレのない採用を支援する。さらに、入社後の活躍人材の成果や行動を人工知能が学習し、データ分析。企業ごとの最適な選考基準を面接官に提示する。

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今後は、勤怠管理、評価管理、さらに給与や健康などの管理モジュールもリリースされる予定で、人事業務に関わるあらゆるデータを一元管理できるサービスへと進化を遂げていく。担当者のスキルに依存し、感覚的な側面も多かった人事領域。そこへクラウドや人工知能が入り込むことで、あいまいだったものが一気に鮮明になる。それはまさに、人事業務の戦略化であり、経営基盤の強化にもダイレクトに直結する。

もはや、「優秀な人材が採れない」とボヤいるだけでは、どんどんライバル企業に引き離される。雇用の流動化が加速する中で、優秀な人材の動きも活発になっており、そうした人材は、能動的に採りにいかねば、ぼやき続けるしかない。人事領域へも急速に広がるテクノロジー革命。あらゆるものがデータ化される時代の到来は、弱小企業にとっては、これまでは不可能だったことが可能になるチャンスでもあり、人材争奪の戦国時代の幕開けともいえそうだ。

なお、「HRMOS」の導入企業数の目標は、3年後(2019年6月)に2千社以上。

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