働き方

企業認知度だけではもはや優秀な人材を確保できない決定的データ

キャリアトレック会員対象の調査で分かった衝撃の事実

時代は見た目より中身へ…。(株)ビズリーチが運営する20代向けレコメンド型転職サイト「キャリアトレック」が同サイト会員を対象に転職活動における企業選びに関するアンケート調査を実施。その結果、6割以上が企業の認知度を重視しないことが分かった。

キャリアトレック調べ

キャリアトレック調べ

企業選びおいて、「よく知られた有名企業であるか」を重視すると回答したのは、「どちらかといえば重視する」と合わせ39%。一方、「重視しない」と回答したのは、「どちらかといえば重視しない」を合わせ61%となった。就職企業ランキングでは、毎年知名度のある企業が上位に名を連ねるが、転職となると“幻想”がなくなり、現実にしっかり目を向けるということなのかもしれない…。

では、代わって何を重視するのか。圧倒的多数を占めたのは従業員との相性がいいで93%だった。ビジョンや事業戦略に共感できるか、も「重視する」が85%。「裁量権が大きくやりたい仕事かどうかを重視するか」についても83%が「重視する」と回答した。

これらの結果から透けてみえるのは、20代の転職希望者の最初の就職の失敗要因だ。有名企業に入ったものの、従業員とウマが合わず、仕事に裁量権が与えられず、やりがいを見いだせなかった--。極めて単純だが、こうした姿が浮かび上がってくる。もちろん、そうではないケースもあろう。だが、対象者が転職希望者であることを考えれば、入った会社がイメージとは違ったと感じたことは確かだろう。

 20代転職者にもはや企業認知度は逆効果?

「理想のキャリア・仕事・働き方」に関する自由回答では、より明確に20代転職希望者の思いがあふれている。「人との関係に大事似ながら働けること」、「個性を活かす企業文化」、「ざっくばらんに社員同士で話ができる」、「自分の価値感や信念に背くことなく力を最大限発揮したい」…。皮肉ではあるが、こうした働き方が難しいことの裏返しといえる、前向きで熱意に満ちたコメントが並んだ。

若者離職率は久しく3割前後で推移している。これは、求職者の不十分な知識と、いい情報を優先的に流す企業間の“誤差”と考えるのが妥当だが、その間に少子化が進行。採用におけるミスマッチは、もはや看過できない状況となっている。そうした中で、新卒一括採用を廃止する動きや中途採用でもインターンシップを導入する声が上がり始めている。

キャリアトレック調べ

キャリアトレック調べ

今回の調査結果は、まさに転職シーンにおける、とりわけ20代の求職者と企業の相互認知期間として、インターンシップなどが有用であることを示しているといえる。さらに、キャリアトレックがそうであるように、人工知能による求職者と企業のさまざまなデータの有効活用で、マッチング精度を高めるサービスへのニーズが高いことも鮮明になった。

企業にとって、これまではその認知度が優秀な人材を確保する大きな武器だった。だが、もはやそれは通用しないーー。20代転職者の腹の内が分かったことで、図らずも大企業時代の終焉が示されたといえる。その規模に関わらず、企業はいかにビジョンを示し、働きやすい環境を整備、社員の力を最大化することがこれからの企業発展に重要であるかがハッキリした。同時に今後、転職戦線が激変し、人材の流れに大きなうねりが起こることが避けられなくなる…。働き方のパラダイムシフトの足音が、ハッキリと聞こえ始めている。

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