働き方

転職複雑化時代の成功のカギ握る活用率数%のアレの実力

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人材コンサルタントの転職事例表彰イベントでみえた次代のマッチングのヒント

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人材市場のパラダイムシフトが加速している。産業構造の変化や人口減少などが絡み合う混沌の中に、さらに企業の思惑や求職者の価値観の変化という要素が加わり、人の移動は単なるマッチングという表現では収まり切らない活動へと複雑化・高度化しているのだ。この難題が解ければ、その先にはまさに“1億総活躍”という展望も拓けてくる。

先ごろ都内で開催された「グッドエージェント賞」表彰式(主催:株式会社リクルートキャリア リクナビNEXTエージェントNetworkおよびCAREER CARVER)。優れた人材コンサルタントの転職事例を表彰する同賞には、次代の人材マッチングの在り方のヒントが散りばめられていた。

個人の転職にとどまらず、その他の社員も含めた事業移管を伴う“転職”、27歳フリーターでの上場企業正社員転職、中小企業のハイスペック人材確保、58歳エンジニアの初転職…。転職サイトなどを活用した通常の転職活動では、途方に暮れてしまいそうな極めて困難な事例ばかりだが、全て実現している。キーとなっているのは、人材コンサルタントの存在だ。求職者と企業を引き合わせる単なるマッチングに留まらない、人としての感性や熱い思い、そして緻密なチーム戦略等を駆使し、見事に難題をクリアしたのだ。

→受賞エージェント詳細

象徴的なのは、58歳のエンジニアの初転職を実現させた(株)ワークポートの高田静夫氏の言葉。「自分もエンジニアだったので、現場で働きたいという求職者の気持ちがとても理解できた。スキルもモチベーションも十分だったのでなんとしても実現したいと思った」。もともとは求職者がそれほど転職に積極的でなかったが、コミュニケーションを通じ、内に秘めた思いを発掘。一度は内定辞退という展開もありながら、最終的には高田氏の後押しもあり、見事にシニア転職を実現している。

 複雑化する転職市場に対応出来る進化の場

今回のアワード全体企画に加わったリクナビNEXT編集長の藤井薫氏は、同賞の意義について次のように解説する。「経歴や募集要項という目に見える固定した情報のマッチングではできないものが、この場で創出されればと期待している。例えば当初の条件面が合わなくても、実際には現実を踏まえ、交渉成立するケースがある。あるいは58歳の転職事例でいえば、エージェントがエンジニア出身だったことが深い共感を産み出し、熱い思いとともに求職者の背中を押し、深いマッチングを生み出した。こうした事例のように、「目に見えない情報」を「人ならではの方法」で表出し、結合していくことで、複雑化する転職市場に対応できるよう進化していける場になればいいと考えている」。

イベントの意義と展望を語るリクナビネクスト編集長藤井氏

イベントの意義と展望を語るリクナビNEXT編集長藤井氏

人材エージェントにとって、いずれも難題ばかりの中、大賞を受賞したのは(株)Youth Planetの堀田誠人氏。「いつか海外で働きたい」という25歳の女性の夢を、先を見据えた2度の転職斡旋で、2年に渡り伴走。単なるマッチングに留まらず、夢の実現まで果たしたことが評価され、大賞受賞となった。「私も転職経験があるが、なぜ就職をサポートしてくれた後、エージェントと疎遠になってしまうのか疑問だった。だから自分で会社を立ち上げたときには求職者の夢の実現までを後押しできるような転職を実現したいと思っていた」と堀田氏は、受賞コメントとして、人材コンサルタントしてのポリシーを明かした。

昨今は、人工知能を活用した転職サービスも出始めている。ビッグデータを活用したレコメンド機能の精度は驚くほど高まっている。だが、それはあくまでも顕在化した求職者の姿でしかない。人の内面を引き出せるのはやはり人だ。転職というナーバスな事案だから人に頼りたくないという思いもあるのかもしれない。実際、転職希望者の人材エージェント活用率は数%というデータもある。だが、転職へのハードルが高いほど、それは「人」の得意領域となる。転職市場が複雑化する中で、そのマッチング精度を高めることはますます困難となっているが、解決のヒントは意外に身近なところにあるのかもしれない。

 

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