
新卒時の会社選びで4割以上が後悔の理由とは
なぜ新卒時の就活は失敗だったのか
「失敗した…」。新卒時の会社選びで、4割以上が後悔していることが分かった。20代のためのレコメンド型転職サイト「careertrek(キャリアトレック)」などのインターネットサービスを展開するビズリーチが、キャリアトレック会員のうち新卒で就職活動をした22歳~30歳の341名を対象に実施したアンケートで判明した。
ズバリ、新卒で入社した企業について、その選択を「後悔しているか」、の質問に対し「後悔している」が18%、「どちらかといえば後悔している」が23%となり、計41%が、新卒時の就活の失敗を認めた。転職を視野に入れた社員による結果であり、これを全体像と捉えるのは無理があるが、後悔していなくても転職を考えることはあるだけに、意外に高い数字といえるだろう。
ではなぜ、後悔しているのか。その理由については、51%が「自分のやりたいことが明確に定まらないまま就職活動を進め、入社してしまった」、50%が「業界や企業研究が十分でなく、入社後にギャップが生じた」となっている。若気の至りではないが、勢いと研究不足のまま就活に臨んだツケが出てしまった格好のようだ。
それを裏付けるような別の調査結果もある。就活で重視したことが「やりたい仕事ができる」(53%)だったのに対し、就職の決め手になったのは「最初に内定が出た企業だった」(43%)。重視していた「やりたい仕事ができる」(36%)は、2番手となっている。つまり、妥協して就職しているワケで、後悔するのも当然といえる。
後悔をどう転換するのか
後悔している社員は、その打開策についてどう考えているのか。過半数はそのまま今の仕事を頑張る覚悟の様だが、45%は新卒時の思いを成就させるべく“リベンジ転職”すると回答している。社会人としては、前向きともいえるが、新卒で採用した企業にとっては踏み台にされるワケで、それまでの育成コストを考えてもダメージは決して少なくない、残念な結果といえるだろう。
同社取締役でキャリアカンパニー多田洋祐氏は「学生の多くは就活をきっかけに初めて自身のキャリアに向き合うため、軸が定まらないまま会社を選び、入社後のギャップに悩む方も多いようです。就活で後悔しないためには、企業訪問や社員の方と話をするなどして情報を得ながら、自分のやりたいことやキャリアの軸をじっくりと考えることが大切です」とアドバイスする。
瓦版でも多くの退職経験者の話を聞いているが、「浅はかだった」と就活時を振り返る人も少なくない。学生時代に明確にやりたい仕事を見極めるのは簡単ではないのかもしれない。だが、自分がどんなことに興味があり、そのためにはどんなスキルが必要かを考えられるくらいの頭は養っておく必要があるかもしれない。すでに社会人なら、やりたいことをするためのスキルを磨くことが、そのまま会社で頑張るにせよ、リベンジ転職をするにせよ、重要になるだろう。