働き方

シニア世代が転職で後悔しないための3つのチェックポイント

シニア転職必勝法
~いかに相手を納得させるか~

シニア転職が珍しくない風潮となってきた。背景には、リストラ、介護、価値観の多様化などがある。とはいえ、20代、30代の転職と比べれば、難易度が高いのは否定できない。せっかく転職しても、ブラック企業で心身崩壊なんて悲劇もある。人生後半戦だけに、せめて納得して働ける職場で社会人人生を終えたい。そのためには何を注意すべきなのか。3つのポイントを提示する。

1:貢献できるスキルはあるのか

リストラにせよ親の介護にせよ、50前後で転職となると、受け入れる側は、どうしても慎重になる。下手な扱いはできないし、期待通りに能力を発揮してくれないとお荷物でしかないからだ。正社員で採用となると、少なくとも10年以上は“お付き合い”せねばならず、どうしても採用には及び腰になる。
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そこで重要になるのが、能力の可視化だ。長年積み上げたキャリアがあるのは事実だろう。それをどのようにすれば、引き出せ、どのくらいの結果につなげられるのかを明確に示せれば、採用担当者も決断が容易になる。つまり、能力の再現性をハッキリとプレゼンできるかが重要となる。データや図表を駆使し、パワポで可視化して示すことができれば、それだけで一気に転職を成功させることができるかもしれない。

シニアでなければ、若さや勢いをかっての見込み採用もあるだろう。だが、十分にキャリア積んだシニアを、期待値だけで採用する企業はほとんどないのが実状だ。いくらキャリアを積み重ねていても、それを相手を説得させるためにアウトプットできなければ、宝の持ち腐れ。なにも評価してもらえない。そのことは重々理解しておく必要がある。

2:お金に捉われない

シニアで再スタートとなると、いろいろと問題も発生する。なにより、若い時よりも体力が低下している。バリバリ働くことを期待されても、満足には応えられない。無理をしても、必ず反動が来る。自分の気力や体力とじっくり相談し、どんな働き方なら継続的に能力を発揮できるのかをしっかりと把握し、それを受け入れてくれることを入社の条件とするくらいの気構えが必要だ。
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採用してもらうために、面接では「頑張ります」と難しい状況にも気合の返答をしがちだが、これは絶対にNGだ。むしろ、自分がどんな環境なら存分に能力を発揮できるのかを明確に説明してくれたほうが、受け入れる側にとっても自己管理ができる男として映り、評価も上がる。
転職の理由が親の介護で、フルタイムが難しい場合だってあるだろう。その場合など、どんなシフトでどれくらいの時間なら働けるのかを明示できれば、印象はかなりいいだろう。とはいえ、企業にとっては、リスクとともに受け入れることに違いない。自身の境遇を踏まえ、企業選びは、お金でない部分を重視するのが、スマートといえるだろう。

3:下の人間の意見に耳を傾けられるのか

シニアの年代で新天地で働くことは、新鮮さがあると同時に、周囲の目は新人の頃のようにやさしいものはないと心得ておく必要がある。「コイツどれだけやるのか」、という刺さるような視線が集まり、決して心地のいいものではないケースが多いだろう。

こうした無言のプレッシャーを緩和するのは、キャラクターが大きく影響する。無口でむっつり型だと、どうしても話しかけづらく、どんどん周囲から孤立していく。難しくても積極的に周囲とコミュニケーションをとるよう心掛けることが、重要だ。
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あえて、若者にも歩み寄り、押し付けない程度に教育してあげるのも効果的かもしれない。年功序列バリバリの中でキャリアを積んできたシニアにとって、下の人間とのコミュニケーションは、上から下が基本かもしれないが、双方向であるとマインドを切り替え、何でも貪欲に吸収する姿勢を忘れてはいけない。「シニア転職者は厄介者」という偏見を創りださないためにも、思い切って“シニア社会人デビュー”をしたっていいかもしれない…。

まとめ

シニアの転職は、新たな一歩を踏み出したいという前向きなものより、リストラされて仕方なく、親の介護で、病気で離職して…など、ネガティブな要因が引き金とっているケースも少なくない。そうなると、なぜ、転職するのかがぼやけがちになる。それでは、その時点で、転職はほぼ失敗に終わることが容易に想像できる。どんな理由にせよ、シニアで転職となれば、受け入れ側をトコトン納得させることができなければ、成功はないと心得ておこう。

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