働き方

新卒入社3か月未満で退職した人で一番多かった理由は「○○が多い」

スピード退社の理由ナンバーワンは時間外労働

こんな生活耐えられない…。転職クチコミサイト「転職会議」は、新卒入社3ヶ月以内で退職してしまったもしくは退職を検討中のクチコミデータを調査・分析。その結果、スピード退職につながる一番の理由が、断トツで「時間外労働が多い」だったことが分かった。

リブセンス調べ

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若者離職率は、3年以内が3割となって久しいが、大卒の新卒者も1年以内に13.1%という調査結果もあり、10人に1人以上がスピード退職している実態がある。厳しい就活を勝ち抜いて、掴んだ新社会人の第一歩をわずかの期間で辞める理由はなんなのか…。

1位は「時間外労働が多い」だった(62%)。2位に大きく水をあける大差で新卒社会人が毛嫌いしたのは、ブラック企業の象徴ともいえる「時間外労働」。離職者の多くは小売り・サービス業従事者で、アルバイト・パート従業員の不足などの穴埋めや少数運営体制が影響し、もろにしわ寄せを食い、その苦痛が退社の引き金を引いたようだ。

具体的なコメントが生々しい…。 「月末の休みを潰されたうえ、12時間以上の労働を強制された。サービス残業は当たり前」(小売業/22歳 男性 販売・接客)。「45分前出勤・閉店後1時間は残業が当たり前。しかし、みなし残業なので残業代が特別に出ることはありません」(小売業/22歳 女性 接客)。「パートさんが休みになるなど、人手不足になるとほぼ残業。上司からの圧迫もあり、プレッシャーは半端ない。残業代もほぼ出ませんし、週に1日休めるだけで良い方」(小売業/22歳 男性 調理・料理長)…など。学生生活からいきなり、こんな仕打ちでは、よほどの忍耐力がない限り厳しい…。

リブセンス調べ

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2位は「社風・体制に不満」(36%)。入ってみなければ分からない部分だが、分かってしまい、合わないと悟れば、退社を考えるもの無理はないかもしれない。具体的な声としては、「店舗により異なるようだが、各店舗の指導方針のようなものがはっきりしていない。人手が足りないブライダル業界で新人育成にも力を入れなくてはならないはずであるが、納得のできる指導をされない場合がある」(サービス業/22歳 女性 フォトグラファー)。「どこの鉄道会社でも同じだと思うが、非常に上下関係に厳しい体育会系の会社なので、慣れることができずに退職してしまう人は多いと思う。体力、精神的にタフでないと厳しいのではないか」(運輸・物流/22歳 男性 その他職種)…など。慣れるか耐えるか。重すぎる二者択一だ。

3位は給与が低い、残業代が出ない(19%)。若輩者がなにを、といいたいところだが、低い次元や出ない理由がひどいようようだ。「残業代がほぼ出ないこと、研修が休み扱いになることなど、割と社員の方の善意で成り立っている部分が多いかと思います」(サービス業/22歳 女性 エステティシャン)。辞めて正解といいたくなる劣悪環境。不景気のしわ寄せとはとうていいえず、単なる経営の怠慢だ。

入社3か月未満で人間関係?

4位は「ノルマ・プレッシャーがきつい」(17%)。5位は、「人間関係に関する不満」(14%)となっている。新人ではあまり関係なさそうだが、そうでもないのか。「ノルマはないといいますが、ノルマはあります。有給は2年程働かないと使えないと言われました」(小売業/22歳 女性 販売スタッフ)。ほぼパワハラ。「自分を入れて2016 年4月入社のメンバーが5人いたが、4月下旬の時点で2名が施設長のパワハラによって解雇されている」(サービス業/22歳 女性 ヘルパー)。こちらはホントのパワハラ。人間関係というより、企業モラルの問題といえる。

業種の中でも離職率が高い小売・サービス業が多かったようだが、それにしてもひどい待遇だ。求職者が少なく、人材不足が常態化し、労働環境が悪化するという悪循環が蔓延しており、相当抜本的にメスを入れなければ、改善は困難だろう。だからといって、全ての小売・サービス業がダメではなく、求職者は、不幸にならないためにもかなり厳しい目で、就職先を見極める必要があるかもしれない。

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