
商売を成功させる極意とは
お客様が神様でない理由
商売はいつも、ギブアンドテイク。売る側も、買う側も、お互いに価値があると思っているから、交換が成り立っているのです。
お客様は神様ではありません。お金の流れも、商品の流れも、ギブアンドテイクのバランスの上に、成り立っているのです。ちょっと高すぎるよ、とか。そんな金額では売れません、とか。バランスが悪くなると、流れは停滞し、水は澱んでしまうのです。
流れているということは、バランスが取れている、ということ。停滞しているということは、バランスが取れていない、ということ。その停滞しているところに、自分が入っていく。原因を取り除いて、流れをスムーズにしてあげる。それが、仕事をつくり出す、ということ。自分の居場所を見つけ出す、ということ。
つまり、スムーズな流れの中に身を置けたなら、それはもう、立派なビジネス。自分にしか出来ない仕事を、手に入れたということなのです。
流れの中に身を置き、右からお金が流れてきたら、左側に流す。左側から商品が流れてきたら、右側に流す。もちろん、ただ流すだけでは駄目なのです。
ビジネスの流れに入るための条件
自分がいることによって、流れがスムーズになるように。商品を加工する。流し方を工夫する。それが流れに入るための条件。
流れに入ることが出来たら、自分が活きる居場所を見つけることが出来たら、人生はとてもハッピー。では流れに入るには、どうすればいいのか。
流れはバランスで成り立っています。だから一方的に損をする必要はないし、自分ばっかり貯め込んでもいけない。あくまでも、ギブアンドテイク。
ただし、始めからバランスを重視すると、流れには入れてもらえません。流れに入るためには、まず与えること。すなわちギブが必要なのです。
絶対に損をしたくない。まず、得から始めたい。そういう人は、流れには入れない。なぜなら、更に流れが悪くなるから。流れに入るためには、ギブから開始するしかない。まずは自分が持っている、時間や、お金や、スキルを、流れに投入する。すると流れが良くなり、みんなに感謝される。流れの中に居場所が出来た時、ようやくテイクが流れて来るのです。
<プロフィール>安田佳生(ヤスダヨシオ)
1965年、大阪府生まれ。高校卒業後渡米し、オレゴン州立大学で生物学を専攻。帰国後リクルート社を経て、1990年ワイキューブを設立。著書多数。2006年に刊行した『千円札は拾うな。』は33万部超のベストセラー。新卒採用コンサルティングなどの人材採用関連を主軸に中小企業向けの経営支援事業を手がけたY-CUBE(ワイキューブ) は2007年に売上高約46億円を計上。しかし、2011年3月30日、東京地裁に民事再生法の適用を申請。その後、個人で活動を続けながら、2015年、中小企業に特化したブランディング会社「BFI」を立ち上げる。経営方針は、採用しない・育成しない・管理しない。最新刊「自分を磨く働き方」では、氏が辿り着いた一つの答えとして従来の働き方と180度違う働き方を提唱している。同氏と差しで向き合い、こだわりの店で食事をし、こだわりのバーで酒を飲み、こだわりに経営について相談に乗ってもらえる「こだわりの相談ツアー」は随時募集中(http://brand-farmers.jp/blog/kodawari_tour/)。