働き方

スポーツ全体の底上げ目指す、独自の改革プロジェクトが発進

投稿日:2017年10月3日 / by

トップFリーガーが挑む“アスリート改革プロジェクト”

フットサル日本代表の星翔太氏(バルドラール浦安)が、スポーツ全体の底上げを目指し、独自の改革プロジェクトを発進した。スポーツと社会の接点を増やすことを軸に、アスリートがその活動継続に抱える課題にアプローチ。スポーツの秘めるチカラと社会での役割を融合させ、“セカンドキャリア問題”の抜本的解消を実現するーー。

スポーツと社会をつなぐマッチングプラットフォーム「アスラボ」

「多くのアスリートが現役を終えた後、次に不安を抱く。これはスポーツの底上げという観点でもよくないことで、環境が整備されていない側面がある。一方で、アスリート自身にも問題があると思っている。私自身、ケガで一般企業にインターンシップで入り、ビジネススキルのなさを痛感した。同時にプレイヤーに求められる『結果を出すチカラ』とビジネスマンとして『結果を出すための準備』が同義語と気づいた。そして、この両輪が長い人生を生き抜くライフスキルになると確信した」。自ら、Fリーガーとして活躍するとともに(株)アスラボ代表取締役として二足のわらじを履く星翔太氏は、アスリートを取り巻く現状を憂いながら、力強く先を見つめる。

その視線の先にあるのが2017年10月1日、具体的な活動のカタチとして開設したアスリートと社会のマッチングサイト「アスラボ」だ。同サイトは、プロアスリートと競技に興味のある一般の人をつなぐマッチングプラットフォーム。アスリートは自らサイトに登録し、審査を経て本登録となる。一般ユーザーもアカウント登録することで、アスリートが発信するレッスン情報などにアプローチし、参加申し込みができる。

トップアスリートの社会の接点を増やし、融合させることを目指す

プロアスリートが個々で情報発信し、一般ユーザーと接点を持つ事例はあるが、オープンにプロを束ねる形のマッチングプラットフォームは珍しく、同サイトは、スポーツと社会の接点づくりに大きな可能性を秘めているといえる。「スポーツ選手が自ら考え、経験できる場を創出していけるサポートをし、そこからスポーツのリノベーションにチャレンジしたい」と星氏は“プロアスリート改革”に力を込める。

目指すのはアスリートの“セカンドキャリア問題”の本質解決

華やかな印象が強いプロアスリートの世界。だが、スポーツの功績で働かなくても生活していける人はわずか3%といわれ、逆に具体的に競技後の将来を描けていないアスリートは45%に上るという調査結果もある。星氏はこうした現状に、アスリートが競技と並行し、社会人として社会で生き抜く力も磨くことで、アプローチ。スポーツの価値を、自然な形で社会に溶け込ませることが、アスリートを覆う不安解消につながると考えている。

アスラボではこうしたイベントをドンドン開催し、スポーツと社会の融和を図る

考えてみれば、スポーツに対する社会の関心は限定的かもしれない。五輪やビッグイベントの時には熱狂するが、その後はスーッと引くように冷めていく。だから、3大会もすれば、メダリストの名前さえ忘れてしまう。マイナースポーツならなおさらだ。競技にだけ専念し、結果を出しさえすればよい。それが、多くのアスリートの姿勢だとすれば、社会との溝が広がるのも無理はないだろう。逆に、応援が大きな力になり、アスリートは力以上のものを出せるという視点で常に社会を意識していれば、その溝は縮まるハズだ。アスラボはまさに、後者の視点でアスリートの活動をサポートする。

左から牧野氏、辻氏、和田氏、星氏、永里氏、小坂氏、北原氏

星氏の呼びかけに、すでに多くのアスリートが賛同し、その輪は広がっている。先ごろ行われたキックオフイベントには、競泳、女子サッカー、フットサル、陸上、ラグビーなど幅広い競技のトップアスリートが集結。特別レッスンを開催した。今後、登録アスリートが増加すれば、プロアスリートによるレッスン開催が飛躍的に増大するかもしれない。スポーツと社会の接点を限りなく増やし、スポーツと社会の溝を埋め、さらに融合させる――。挑戦はスタートしたばかりだが、真のスポーツ先進国として、アスリートが不安なく活動できる社会への変革というゴールは、ハッキリと捉えている。

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