働き方

もしも、ほとんどの人が努力の本当の意味を間違えているとしたら…

投稿日:2017年11月20日 / by

変人安田の境目コラム

努力とはなにか

石の上にも三年、とか。千里の道も一歩から、とか。塵も積もれば山となる、とか。コツコツと努力することの重要さを、私たちは小さい頃から教えられます。

でもコツコツって、何なのでしょう。努力するって、どういうことなのでしょう。脇目も振らず、勉強すること。好奇心を抑え、授業に集中すること。テストで良い点を取り、競争に勝つこと。何となく、そういうイメージがありますよね。

その基準において、私は本当にダメな子供でした。まったく勉強しない。先生の話に集中できない。テストの結果はいつも最下位。社会人になってからも、同じです。言われた通りに、仕事が出来ない。売ることだけに、集中できない。誰かと競争して、勝とうと思わない。

先生から見れば、努力の足りないダメな生徒。上司から見れば、努力の足りないダメな社員。

でも今なら、確信を持って答えられます。私は、紛れもなく、努力家であると。子供の頃、自分より努力しない人を、見たことがありませんでした。どんなに勉強しない子供でも、私よりは勉強していたからです。

突き進むことが本当の努力というのは正しいのか

ああ、なんてダメな人間なのだ。なんて努力の出来ない、人間なのだ。ずっとそう思ってきました。でもそれは、努力の意味を、間違って教えられたから。教えられた努力とは、疑問を持たず、脇目も振らず、突き進むこと。私が見つけた努力とは、疑問を持ち、立ち止まり、考え続けること

教科書の3ページ目で、立ち止まって考え続ける子供。営業マニュアルの3ページ目で、立ち止まって考え続ける営業マン。それは即ち、ダメな子供、ダメな営業マンです。立ち止まらずに、進み続けて、結果を残す。それが、優秀な子供、優秀な営業マンなのです。

でも不思議ですよね。優秀な子供が、優秀な営業マンになり、気がついた時には、出来ない人材になっている。なぜ、こんなことになるのでしょうか。

それは、努力の意味を間違えているからです。努力とは、前に進み続けることではありません。努力とは、立ち止まって自分の頭で考えること。自分のやり方(スキル)を極めること。

なぜこの国の大人は、こんなにも努力しないのか。それは、子供の頃から、間違った努力を続けているから。頑張る人ほど、努力が足りない人になってしまうのです。


<プロフィール>安田佳生(ヤスダヨシオ)
yasuda21965年、大阪府生まれ。高校卒業後渡米し、オレゴン州立大学で生物学を専攻。帰国後リクルート社を経て、1990年ワイキューブを設立。著書多数。2006年に刊行した『千円札は拾うな。』は33万部超のベストセラー。新卒採用コンサルティングなどの人材採用関連を主軸に中小企業向けの経営支援事業を手がけたY-CUBE(ワイキューブ) は2007年に売上高約46億円を計上。しかし、2011年3月30日、東京地裁に民事再生法の適用を申請。その後、個人で活動を続けながら、2015年、中小企業に特化したブランディング会社「BFI」を立ち上げる。経営方針は、採用しない・育成しない・管理しない。最新刊「自分を磨く働き方」では、氏が辿り着いた一つの答えとして従来の働き方と180度違う働き方を提唱している。同氏と差しで向き合い、こだわりの店で食事をし、こだわりのバーで酒を飲み、こだわりに経営について相談に乗ってもらえる「こだわりの相談ツアー」は随時募集中(http://brand-farmers.jp/blog/kodawari_tour/)。

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