働き方

パワハラ上司はなぜ保身しかしないのか…

投稿日:2018年5月24日 / by

お毒 いや~あれこそオトコ中の男ね。20歳で頭丸めて、顔出して会見で謝罪。侍よ。昭和の高度成長期で日本人はカイシャ人間が増殖してヘンテコリンになっちゃってたけど、若いコにあんなのがいるんだもの。まだまだ未来は捨てたもんじゃないかもしれないわ。坊主頭がカワイイったらなかったわ。

nekodaBup猫田先生 彼がどんな気持ちであの場に立ったことを考えたら不謹慎じゃねぇか?。“被害者”でもあるけど加害者でもあるわけだからな。でも、本当にピュアな印象ではあったよな。政治家の発言やらお役人の発言があまりに歯切れが悪いのばかりでストレスが蓄積されてたからスカッととしたぜ。その翌日の監督とコーチの会見があまりにひどかったんで一層、彼の真摯さが際立ったよ。

編集部ニシ 大好きだったアメフトをやめてこれから何をしたらいいか分からないって言葉には胸が痛みました。ただ、あの素晴らしい会見をみて、人材としてほれ込んだ人もいたみたいです。「ぜひ採用したい」という声が上がっているようなんです。あれだけの緊迫した場で、あのブレない態度は確かに並みの人材じゃないと感じましたよ。

お毒 大人は調子いいのよね。そんなこと言っていざ採用したら「どうしてわが社ではあの会見みたいな振る舞いができないんだ」「分かってるよな」なんてパワハラで「潰して」使い捨てにするんじゃいかしら。大人なんて信用できわよ。

編集部ニシ レバレジーズが運営するフリーター・既卒向け就職支援サービス「ハタラクティブ」(https://hataractive.jp/ )が、元正社員、派遣社員、契約社員で18歳~30歳男女281名のサービス登録者を対象に実施したセクハラ、パワハラに関するアンケートがあります。それによると、パワハラやセクハラで仕事をやめたことがあると回答したのは、正社員女性で22.2%、正社員男性で29.1%、フリーター女性で37.2%、フリーター男性で36.8%。平均すると3人に一人はパワハラ/セクハラ離職をしている計算です。

猫田先生 日本労働組合総連合会の調査では、仕事で何らかのハラスメントを受けたことがあると回答したのは69.8%。そのうち断トツに多かったのが「パワハラ」で50.2%。いつの間にか日本はパワハラ大国になっちまんたんだな。「ノルマが達成できないなら死ね」なんて言葉が職場でまだ飛び交ってるのかと思うと、この国の未来は暗いとしか思えねぇぜ。

編集部ニシ これは実話なんですが、その昔、某社の記者が上司に「こんなんじゃ記事にならない。火でもつけてこい!」と怒鳴れたそうです。その後、その記者の取材対象の家でボヤ騒ぎあったんです。我々の間では、上司はあくまでも比喩的に「火をつけろ」といっただけと捉えていましたが、それだけ彼がパワハラで追い込まれていたんだとしたら、気の毒だなぁって…。

毒舌家

お毒 結局、お偉いさんは「忖度」という名の、都合よく下が上の意向に合わせてくれる“システム”に慣れきって裸の王様になってるのよ。あの監督さんなんて、「なんで『潰せ』を真に受けるかなぁ」って、会見中の顔に書いてあったもの。人の心が分からない人間が上に立っちゃいけないわよ。

編集部ニシ 幸い、いまは勇気ある人間が声を上げれば社会が制裁を加える仕組みができつつあるので、“やられ損”は減っていく気はしていますけどね。とはいえ、そもそもそうしたことが起こらないのが、健全なのは言うまでもありません。

へん0

猫田先生 結局、コミュニケーションの問題なんだよ。上司が声をかけづらいというのは、キャラで済まされるもんじゃなく、もはや問題外。むしろ積極的に部下に歩み寄っていろいろな意見を交わしたり、雑談したり、そうやって距離を縮め、信頼を積み上げていかないと、互いの意思疎通が不足して「忖度」という意味不明の“会話”が成立してしまう。日本はあれこれ言わず、状況を察するのが美徳とされがちだが、分からなければきちんと聞く。そもそも分からないようなコミュニケーションはとらない。それくらい徹底しないと、日本社会を蝕む病巣は治らんだろうな。

編集部ニシ ちなみに先のレバレジーズの調査でパワハラやセクハラを受けた際の対処法も聞いています。それによると1位は「ボイスレコーダーに録音しておく」、2位が「受けた行為をメモしておく」、3位が「人事や本部に改善を求める」となっています。多くは“自衛”を考えているようですから、上に立つ人はしっかりと襟を正したほうがいいと思いますね。代償はとてもつなく大きいですよ…。

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