
ダイバーシティ経営を企業成長につなげるためのポイント
ベンチャーCHROの戦略的JINJI論
いまさらですがダイバーシティ経営ってご存知ですか?
「ダイバーシティ」。
この言葉をご存知ない方はいらっしゃいますでしょうか?
今更、知らない人なんていないだろうと思われる方もいるかもしれませんが、とある転職支援会社の調査では利用者の7割の方が「ダイバーシティ」の意味を知らないと回答したとのことです。
釈迦に説法かもしれませんが念のため、説明しておきます。「ダイバーシティ」とは「多様性」という意味です。ここでいう多様性とは、国籍や性別、年齢に限らず、キャリアや働き方など様々な要素を含んでいます。
企業ではダイバーシティ経営が今後さらに重要になってくると考えられますが、まだまだ日本では力を入れている企業が少ないと言われています。
しかし、近年では働き方改革の影響もあって、大企業をはじめ、その重要性は着実に浸透しつつあります。
では、ダイバーシティ経営とは何なのか。経済産業省の資料によると「多様な人材を活かし、その能力が最大限発揮できる機会を提供することで、イノベーションを生み出し、価値創造につなげている経営」ということです。
つまり、ただ単純に「多様な人材を活かせばいい」という発想ではなく、「多様な人材を活かすことが企業価値向上につながる」ということなのです。
我が社がダイバーシティ経営を重要視する理由
かく言う弊社も「ダイバーシティ推進室」を発足させ、経営戦略の一環として様々な取り組みを進めています。正面から向き合う中で、あらためて、その重要性を実感しています。
ダイバーシティ推進室を発足するきっかけは社内託児所の設置です。約4年ほど前になりますが、当時はまだ社内託児所の普及が世の中的にも少なく、様々なメディアで弊社を取り上げて頂きました。女性社員が待機児童の問題で復帰したいのにできないという状況があり、それを解決するために作ったのです。
今では弊社の女性社員比率は6割にのぼり、活躍する女性が多数在籍しています。優秀な人材が退職という選択をせず、復帰してくれるようになり、その活躍により弊社は成長を続けることが出来ています。
この経験から、いかに働く環境の整備が会社の業績に影響するのかを実感しました。
採用シーンでは長らく売り手市場が続いています。どうしても人事担当者としては採用戦略にばかり目を向けてしまいがちです。もちろんそれも大切ですが、まずは今いるメンバーや多様な人材に最大限活躍してもらうためにはどういった環境が必要なのかを考え、それを形にすることが自社を成長させる大切な要素となる。私はそう実感しています。
大切なことは、単に時代にあわせたダイバーシティ経営を推奨するのではなく、自社にあったダイバーシティ経営こそが成長を加速させるという点です。それを踏まえた上で、自社の現状を俯瞰し、リソースの見直しや問題点の洗い出しなどをしながらどのように経営戦略として実施していくかを考えるべきだと感じています。
※CHRO(Chief Human Resource Officer)の略
