働き方

カニバリゼーション

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カニバリゼーション(Cannibalization)とは「共食い」を意味する。マーケティングにおいて、自社の製品同士がシェアを奪い合っている状態を指す。俗に「カニバる」とも言われるが、自ら機会損失を誘発することであり、カーニバルのように楽しそうといった意味はない。なお、生物界においては、種の存続のために行われる。

例えば、新しく売り出す予定の「新商品A」が、既に自社製品として流通している「商品B」とそれほど差がない場合にカニバリゼーションは発生する。今まで商品Bを購入していたユーザーが、商品Aを購入するようになるため、相対的に全体の売り上げが伸び悩んでしまう。互いの売り上げを食い合う様はまさに「共食い」であり、カニバリゼーションそのものだ。

なぜ、こうしたカニバリゼーションが発生してしまうのか。ライバル会社の製品を真似て、既存シェアを奪う企業戦略は確かに存在する。だが自社の製品を真似たものを販売しても、よほどのヘビーユーザーでもなければ商品を複数買おうとはしないのは明白だ。にもかかわらず、企画会議でそうした案が通ってしまうとすれば、業績が息づまる予兆と考えてもいいかもしれない。

このようなカニバリゼーションを未然に防ぐためにはどうすればいいのか。重要なことは、「差別化」だ。例として、男性向けや女性向けといったように商品のターゲットを明確にするなど、商品の違いを顧客に認識させる配慮が考えられる。マーケティングの観点でいえば、ひたすら消費者目線を追求することも効果的だろう。

ちなみに、同じコンビニやスーパーを近距離に複数出店してしまったがために、ユーザーがそれぞれに分散している状態も「カニバっている状態」に該当する。ただし、あえてそうした出店攻勢によって、地域を支配してしまう「ドミナント戦略」の場合もあり、ケースバイケース、ということも認識しておこう。

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