働き方

社内フリーエージェント(FA)制度

【社内フリーエージェント(FA)制度】

フリーエージェント(FA)制度とは社員が希望する職種や部署に就きたいときに自由に申請でき、自らの実績や価値を訴求できる制度。社内公募制とは逆に、自ら能動的に異動を働きかけることが可能で、社内の活性化が期待される。異動は、他部署がそのキャリアに魅力を感じれば、実現する。もちろん、希望の部署へ移れる保証はない。今後の働き方で注目されている制度のひとつ。

FAとはもともと野球業界用語で、どこの球団とも選手契約を締結できる権利をもつ選手のことを指す。ある一定の期間(現在は4シーズン)特定の球団に所属することで得られる権利で、その後他球団に移籍したい場合「FA宣言」をすることで移籍することができる。

社内フリーエージェントにおいては特にこれといった決まりはなく、その内容ややり方も企業ごとに異なってくる。

 

できた経緯と目的

働き方や社内制度、仕事のあり方などが多様化し、今までには考えられなかった環境へと変化や進展を遂げてきている現代社会において新たな取り組みとして注目され、浸透しつつあるのがこの「フリーエージェント(FA)制度」である。

企業側は社員に自分自身の能力を存分に発揮できる場を提供することで社員本人のやる気やモチベーションを高めると同時に仕事の効率化を進めるべく、それぞれの社員に適した環境でのキャリアアップを目的としている。さらに人材管理なども同時に可能にしようという試みだ。

 

メリットとデメリット

ここで社員にとって、または企業にとってのメリットとデメリットにどのようなものが考えられるかを見てみる。

社員側のメリット

・自分のやりたい仕事ができる

今の仕事では満足ができず、もっと自分の力を試してみたいと考えている向上心のある者にとってこの制度はチャンスといえる。

・上司に秘密にすることができるので気まずくならずに済む

現在所属している上司に「他部署に異動したい」という意図が知られてしまうときまずいことがあるが、FA制度はこのような意図を公開することなく申請することができる。

デメリット

・異動したのはいいが、思っていたような仕事ではなかった。

自分が思い描いていたような仕事ではなかったが、自分で異動したいと願い出た手前、再びというのは気が引けてしまう。

・部下が度々変わると仕事の伝達などが困難である。

上司にとって部下は大切なビジネスパートナーであるが、その部下が短いスパンで代わってしまうと仕事の伝達に手間がかかってしまうため、余計な労力を使うことになる。

 

企業側のメリット

・自立した社員を育てることができる。

「こうしたい」という自らの意志でなにかを成し遂げようとしている者をアシストできることにより、より一層社内向上心を高めることが期待できる。

・新たな発想のビジネスを創造し、硬直した人事に風穴を開けることができる

人の配置を入れ替えることにより、その部署に新たな空気が流れ込み、違った考え方や視点、アイディアを得ることが期待できたり、リフレッシュ効果を生むことができたりする。

デメリット

・本来の意図にそぐわない理由での異動がある

より適した場所で本人の力を最大限生かすためにと取り入れられている制度だが、社員の本当の理由を知るのは難しく、企業側の意図した理由にそぐわない考えをもってこの制度をい活用してしまう人もいる。

・異動できなかったときのリスクがある。

異動が不可能だったとき社員が納得のいくような説明をできるようにしなければならない。

そうしなければ社員の会社離れなども出てきてしまうことがある。

 

運用上はどちらにもメリットデメリットが存在するため、日本ではまだあまり普及していないが、今後さらに注目されていく制度と言えるだろう。

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