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限定正社員

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限定正社員

限定正社員とは、「労働内容」や「労働環境・地域」が限定的な正社員のことをさす。
雇用契約の時点で限定的な部分は決められ、決められたところ以外の勤務地で働くことはなく、決められた業務以外は行わない。

限定正社員の、「限定」的な要素についてはいろいろと間違った情報が出回っている。
例えば、雇用期間を限定するであるとか言われているが、それは大きな間違いである。

現在の労働契約法第18条1項には、同じ会社に5年以上勤めたパートタイマーや契約社員(有期労働契約者)が会社に対して、有期労働期間内に無期労働契約を申し出た場合、会社側はこの申し出を断れず、正社員と同じように無期限の雇用に切り替えなければならないと明記されている。
パートタイマーや派遣社員などを利用し続けていたいが、正社員と同じ労働条件で雇うのは難しいという企業は多い。これは企業側にとっても労働者側にとっても不利益なことであると思われている。企業側は無期限雇用に切り替えられる前に、貴重な労働者を切らなきゃいけなくなり、労働者側も権利を主張することで契約が延長できなくなる恐れがあるからだ。

限定正社員という新たな枠を作ることによって、雇用する側にもされる側にも選択肢が増えることとなる。

限定正社員の従業員側メリット

限定正社員は、パートタイマーとは違って正社員と同様の福利厚生を受けることができる。これが大きなメリットになる。また、前述のとおり労働内容も限定的であるため、部署移動や転勤について心配する必要もなくなる。

限定正社員の使用者側メリット

企業側のメリットといえば、正社員に支払う賃金の9割弱程度の給与水準で雇用できる点が一番である。
また、限定正社員が働く部署自体が売り上げの低下などの事由により、閉鎖される場合。正規社員であれば、別の部署へ移動させ引き続き雇用を続けなければならないが、限定正社員にいたってはその場で解雇できるというところもメリットのひとつだ。

限定正社員の従業員側デメリット

限定正社員は、同じ勤務地で同じ業務を行うことを定めているので、仕事がマンネリ化してしまったり、スキルアップすることができなかったりというデメリットが潜んでいる。今までパートタイマーとして働いていた人間であれば、さほど苦痛ではないかもしれないが、今まで正社員として働いていた人間からすれば、苦痛を伴う働き方なのかもしれない。

また、企業側のメリットが従業員側のデメリットになる。限定正社員には転勤や職場内での部署移動などはほとんどないが、その契約内に含まれる仕事が企業内に無くなってしまえば解雇される可能性がでてくる。例えば、技術職として限定正社員になったとしよう。その会社に技術系の仕事がなくなった場合、普通の社員であれば、営業側に回されるなどの処置が施されるが、技術職として雇われた限定正社員は、その場で解雇となる。

これを厳しいと取るか、ありがたいと取るかは、人それぞれの見解による。制作一筋で働いてきて、制作しかできない、またはやりたくないと考えている社員がいたとして、その人が営業側に回されたところで、モチベーションの維持も難しいし、その後活躍も見込めない。それは本人にとっても苦痛なことになるだろう。企業側から見ても、今までと違って不慣れな仕事をさせなければならないし、その能力に劣るからといって簡単に解雇することもできないのであれば、従業員との信頼関係も崩れていってしまう。
そういう事態を防ぐためにも限定正社員という立ち位置は、どちらにとってもありがたいものとなるかもしれない。

懸念される企業による限定正社員の悪用

限定正社員は悪く言い換えてしまえば、お払い箱になればその場でカットできるのが、問題になるだろうと指摘されている。俗に言う窓際社員に対するリストラ勧告は、法的な強制力がなかったが、雇用契約が限定正社員であればそれは別の話となる。その社員が在籍する部署を閉鎖することで、法的に首切りができるのだ。使うときだけ使って用が済めばポイッという構図が容易に想像できるだろう。このため日本労働組合総連合会などでは、限定正社員の制度自体に反対の意見を出している。

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