働き方

新卒一括採用の見直しの次に来る採用スタイルとは

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【新卒一括採用】

卒業見込みの学生をまとめて採用する新卒一括採用は、日本型の採用スタイルとして古くから定着している。明治のころからが存在したといわれており、以来現在に至るまで、続いている。学歴による就職格差は、その頃からあったようだ。

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理由はシンプルだ。高等教育を受けた人材はそうでない人材に比べ、知能レベルが高い。そうした人材を一括で採用することで、その後の社員教育は円滑に進む。企業力強化には効率的だったのだ。高度成長期に入ると、企業間の競争も激化。比例して人材の取り合いがシビアになる。青田買いも横行し、企業力が人材確保の大きなポイントとなった。

70年代にはビジネスとしての就活サポートも誕生。新卒一括採用は、本来の意義とは違った形で大学入試の重要性を後押しながら、定着していく。学歴重視が顕著になり、いい大学を目指すことがイコールいい企業に入ることと同義になる。結果的に、一流大学に入ることが目的になり、学生生活は緩みがちになる。

潜在化していた、こうした戦力としての学生の“弱体化”は、右肩上がりの経済成長の終焉とともに顕著になっていく。なかなかいい人材が採れない。採れても定着しない…。こうしたミスマッチが蓄積され、企業も学生も就職活動に疑心暗鬼になっていく。やがて、企業の業績低迷が顕在化し、リストラの横行、終身雇用の崩壊が現実となり、いわゆる日本型採用の核といえる「教育」部分がなおざりになっていく。

30歳未満学歴不問の通年採用が増加傾向

そうした中で、新卒一括採用を見直す動きも目立ち始める。人口減少で、若者の採用が困難になっていることに加え、企業の弱体化で即戦力へのニーズが増強。多様性も重視される風潮の中で、学歴を基準に一括で人材を確保する動きに矛盾が生じ始めたのだ。第二新卒というカタチで、早期離職した若者に門戸を開く動きもあったが、昨今ではさらに間口を広げ、30歳未満で学歴を問わず、募集は随時という企業も増え始めている。

企業は、必要な人材を随時アンテナを張ることなどで自力で発掘。求職者は、自身のスキルや特性をベースに企業に売り込みをかける。新卒一括採用を見直す動きは、産業構造の変化による人材流動化と連動しながら、今後一気に広まっていくことは間違いないだろう。その意味では、日本の採用においても30歳までがモラトリアム期間となり、求職者はその間にどれだけ有意義な経験を積めるかが、就職において重要になってくるだろう。学歴でなく、経歴やスキル重視の欧米型へのシフトだ。

企業は求職者に自社では難しいことをもたらしてくれる人材を求め、求職者は、自身が企業に対し、何ができるかでアピールするーー。新卒一括採用を見直す動きによって、企業と求職者の関係性は対等になる。同時に、どちらも魅力がなければ、振り向いてもらえないことにもなる。モラトリアム期間の“延長”はその分、企業は会社としての魅力を、求職者は人材としての能力を高めるためのアディショナルタイムと捉えるのが、適切といえるだろう。

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