働き方

ノマド

【ノマド】

英語で遊牧民の意。固定のオフィスで働くことが一般的とすれば、ノマドは場所に捉われず、職場を転々することからこの名が付けられた。言葉としては、2010年前後に広がり始め、2011年以降の震災以降、急速に広がった。

nomad

ノマドが広がった背景は大きく3つある。ひとつは、ノートPCの普及とそれに伴い通信回線の発達。もう一つは、技術の進化で優れたソフトやアプリが登場し、遠隔作業でもそん色のない業務遂行が可能になったこと。そして、インターネットの発達で切り出しやすい業務が増大したことだ。

とはいえ、ノマドワーカーのほとんどはフリーランスだ。特定の企業に所属せず、複数の企業を転々するので、自ずとノマド的な働き方になるからだ。かつてなら、自宅がその拠点というのがほとんどだったフリーランスも、いまやメインの職場といえるのはカフェ。WIFI完備の店舗が増大したことで作業環境が整ったことなどが大きな要因だ。

併せて、コワーキングスペースもその拠点として重宝されている。ここでの利点は、同じようなスタイルのワーカーが集うことで情報のやり取りが生まれ、新たな仕事発生につながることだ。運営者が積極的に横のつながりを生み出してくれるケースもあり、孤独なフリーランスにとっては頼もしい。

今後は質の高度化がポイント

もっとも、最近では、企業でもフリーアドレスを導入する企業が増え、社内ノマドも珍しくなくなりつつある。その延長でリモートワークを導入する企業も増大。会社員でもカフェを拠点に業務に取り組む事例が急速に拡大している。そうした流れの中で、ノマド、という言葉自体が使われることも減りつつある。

場所にとらわれない新しい働き方として注目を集めたノマドワーク。その当時は、オフィスで働くことが常識だったこともあり、注目を集めたが、リモートワークや在宅勤務が増大フェーズにあるいま、もはや、珍しい働き方としてのノマドの特色は色あせてしまった。その意味では、ノマドは、新しい働き方へシフトするプロセスで生まれた、新種の行動スタイルといえ、今後は、業務内容の高度化も踏まえた質の面での進化が、次なるフェーズへのポイントとなっていきそうだ。

読み物コンテンツ

働き方白書について
仕事相談室について
極楽仕事術について
三者三様について
戦略的転職について
用語集について