働き方

オワハラ

PAK85_omitumorisyokuronuri20140905_TP_Vオワハラとは、企業が就活生に対して、就職活動を終わらせることを強要する行為である。セクハラやパワハラと同様に、一種のハラスメント行為として、近年使われ出した言葉だ。2015年には就活流行語にも選ばれており、世間的な認知度は高くなっている。

ひとくちに「就活を終わらせる」といっても、その手法は多彩だ。自社の内定をエサに就活の終了を迫ったり、内定後に研修をさせて、ほかの企業の選考に行けなくしたりと、あの手この手を用いている。さらに過激なものになると、就活生を脅して萎縮させることで、就活を終了させる方法も存在する。

オワハラが発生する原因とは?

なぜ就活の終了を強要するのかといえば、優秀な新卒の学生を採用したいという企業の都合によるものが大きい。学生に対して「就活を終わらせれば内定を出す」とでも釘を刺しておけば、優秀な人材をほかの企業に取られることが少なくなるからだ。

選考を進めた就活生に、内定を辞退されるのは採用側にとって痛手であるため、就活をストップさせて人材を確保するのが狙いである。非常に狡猾だが、会社間における人材争奪戦を勝ち抜くためには、有効な手段ともいえるだろう。

オワハラはかえって逆効果?

しかし、安易なオワハラは会社の評判を落としかねないのも事実である。オワハラを受けた就活生に、ツイッターやフェイスブックで社名を公表されれば、瞬く間に悪評は広がってしまうからだ。誰もが情報を発信できる時代において、企業による強引な採用活動はリスクが大きくなっている。オワハラという言葉が広く認知されたことで、就活生も企業の思い通りには動かなくなったということだろう。

本来であれば、企業の都合だけで、職業選択の自由を妨害するのは許されない行為である。優秀な人材を確保したいという企業の思いに加え、オワハラを行った企業への罰則がほとんど無いという点も、オワハラを助長する要因となっている。採用選考の開始時期が有名無実化している現状と併せて、就活市場は無法地帯と化しているのではないだろうか。

就活生自身が、そうしたことをしっかり認識し、防衛策を固めることがより大切となるが、それも少々気の毒な気はする…。

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