帰宅難民
自然災害により帰宅できなくなる
帰宅難民とは、通勤中や勤務中に自然災害に遭遇して、家に帰れなくなった人を指す言葉だ。
とりわけ地震や台風が多い日本においては、大きな地震や台風による浸水で電車やバスがストップし、大量の帰宅難民が発生することも少なくない。テレビの報道においても「大型台風により、都内で帰宅難民が○○万人発生」といった報道がされることもしばしばだ。より解りやすく「帰宅困難者」と呼ぶこともあるが、帰宅難民とほぼ同義の言葉である。
家に帰れないため、喫茶店で時間を潰す人もいれば、駅の構内やホームに座り込んで、交通機関が回復するのを待つ人も多い。中にはホテルや漫画喫茶で一夜を明かしたり、会社に寝泊りしたりと、その日の帰宅を諦めるケースも存在する。
帰宅難民を発生させない企業の取組み
大企業や防災意識の高い会社は、台風による交通機関の乱れをあらかじめ想定し、社員に対して自宅待機を命じることも多い。予測が難しい地震に備えて、社員が寝泊りできる宿泊設備がある会社も存在する。社員に対するケアが、細部まで行き届いている証拠だろう。しか、し実際は、そこまで災害に対して盤石の備えができている企業は少ない。結果として、多くの帰宅難民が発生してしまっているのが現実だ。
個人の努力で帰宅難民を防ぐのは難しい
個人で可能な対策がほとんど存在しないという点も、大規模な帰宅難民の発生に拍車をかけている。例えば、通勤に使っている交通機関以外の帰宅手段を考えておくという方法も存在するが、大きな災害の場合は、その代替手段さえも使えなくこともあるからだ。通勤時間が長く、自宅と会社までの距離が長いほど、帰宅難民になりやすいという点を留意しておこう。
確実な対策を挙げるならば、予測できる災害の場合、事前に会社へ休暇を申請して、自宅にいるのが一番だろう。あとは、徒歩や自転車でも容易に通勤できるくらい会社の近所に引っ越すか、自宅で仕事ができる在宅ワーカーになるのも手だ。