インタビュー

フリーランス美容師という働き方で拡がる可能性

投稿日:2016年4月5日 / by

フリーランス美容師の一押しポイント

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前近代的ともいわれる、旧来型の働き方が根強い美容室の世界。徐々に経営改革を進めるサロンも増え始めているが、抜本改革にはまだ遠い印象だ。そんな中、組織を飛び出し、自分の腕一本で勝負する「フリーランス美容師」がジワジワ増え始めている。そのメリットや課題、可能性などについて、現役フリーランス美容師に座談会形式で語ってもらった。【後編】

美容室の現状と課題

--お二人の現状をうかがっているとフリーランスになることで、より可能性が拡がるんだ、とつくづく思います。一方で、美容室自体が、もっとその辺りに目を向けて、スタッフの可能性を伸ばすような経営努力をすれば、売り上げも含めて底上げにつながると思うのですが…。

矢作 私は美容室の経営コンサルを数社で行っているのですが、その辺りの状況は経営者の年代によってもだいぶ差がありますね。50代前後の経営者だとまだまだ旧態依然ですが、20代、30代の経営者ではだいぶ改革が進んできている印象あります。

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多賀谷 美容室の世界では、人に対するリスペクトという部分で、特に若い人にやや欠けている部分があるのかな、ということは感じます。美容室に限らないのかもしれませんが、なかなか外の世界を知る機会も少ないので、その意味では、いろんな経験をして欲しいな、というのはいま改めて思います。

美容室勤務でやっておくべきこと

矢作 若いうちから外で多くの経験を積んだ方がいいとは思いませんが、ある程度のキャリアになってくれば、どんどん外部の世界とも接点を持って、人としての幅を広げて欲しいと思いますね。私自身それで、本当に勉強になりましたから。業界にそういう人が増えてくれば、課題も浮き彫りになってくるし、自ずと変革にもつながっていくのではないでしょうか。

--女性が働く職場として美容室の環境はどうなのでしょう。

多賀谷 私の場合は肉体的に本当にハードでしたね。女性にとっては、出産後も続けていくとなるとかなり厳しく感じると思います。実際、出産後は辞めて、再就職ではほかの業種へ行く人も結構いますから。

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矢作 私は、妊娠中の女性が働くお店にヘルプで入ったことがありますが、その時、女性が働くのは酷な職場だとまざまざと感じさせられました。ベテランの男性スタッフは、接客もせず、その女性スタッフに気遣いもなく、当たり前のように働かせてましたからね。全ての美容室が、そうということはもちろんありませんが、体質的にありがちな部分だとは思います。

--その意味では、特に女性にとっては、フリーランス美容師という選択肢は、仕事を続けていく上でも魅力的といえそうですね。

多賀谷 私は子供がいませんが、時間を自分でコントロールできるというのは、本当に大きいと思います。特に美容室では、拘束時間が長いので、そのことが就業継続のネックなら、選択肢として素晴らしいと思います。

--お二人は、美容師以外の仕事もされていますが、そういったスキルやノウハウはいつ、どこで習得されたのですか。

多賀谷 私はおかげさまで、店舗にいるときから幅広くやらせていただいていたのを、フリーになってさらに磨き上げている感じです。

矢作 私はフリーになってからいろいろ調べているうちに、出会いなどもあって徐々に広がっている感じです。電力関係のお仕事はまさにそうです。店舗で働いているときは、なかなか他のことに手を出す時間はないと思いますが、いまはネットを使えば、いろいろな人とつながることができます。知識もインプットできます。美容師であっても、常に幅広くアンテナを張っておくことは大事なことだと思います。

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川口 私はいま、フリーランス美容師の普及を進めることにも力を入れていますが、その一環で、ツールを開発するために独学でプログラミングを学びました。美容師って、結構、多才な人が多いと思っていて、でも、その能力を発揮できない環境でもあったりする。それはとてももったいないことだと思います。だからこそ、ひとつの選択肢として、このフリーランス美容師という働き方を一人でも多くの方に知ってもらいたいと思っています。

--最後に、フリーランス美容師としての目標をお聞かせください。

多賀谷 先ほども言いましたが、私はやはり、フリーランス美容師としてブランディングを強化していきたいですね。

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矢作 私はいまは、美容師としての仕事よりもそれ以外の仕事の割合が増えてきているのですが、やはり美容師として何かしたいという思いはあります。フリーランス美容師として、ということとは少しずれるのかもしれませんが、美容師がイキイキと働けるような仕組みづくり。それは、もしかしたらフリーランスという個人のカタチでなく、会社というカタチなのか、ホールディングスということで横につながる形なのか分かりませんが、社会保障なども含めた、美容師がより安定的に気持ちよく、安心して働ける仕組みをつくっていければと思っています。

前編→ フリーランス美容師に転向してみえたもの

関連記事→ フリーランス美容師の普及を目指すサロンの思惑とは


【プロフィール】
多賀谷紘美:1979年5月生まれ。フリーランスの美容師として活躍するほか、ブライダルヘアメイク、アクセサリーづくりなど、ダブルワークを実践する。趣味は登山、旅行、美術館巡り。フリーになったのは2014年。
矢作祐輔:1985年10月生まれ。フリーランスの美容師の他、コンサルティングや貿易、商品開発など多様な分野で活躍する。趣味は音楽・芸術鑑賞。フリー転向は2014年。

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