インタビュー

リユース業界のパラダイムシフト狙う元Jリーガー社長の果てしなき野望

投稿日:2018年4月18日 / by

Jリーガー脱落から15年で辿り着いた東証マザーズ上場という通過点

家業を拡大し、株式会社SOUを創業した嵜本晋輔代表。一国一城の主となり、経営者としての才覚を全開。矢継ぎ早の施策投入で、業界内にその存在を際立たせると、海外へも進出。さらなる成長をどん欲に追求し続ける。「買って、使って、資産に変える」――。日本人の消費スタイルの変革をもにらむその視線の先には、果てしない野望が広がっている。

現場重視ながらもワンマン並みのスピード感で急成長

事業者向けへのシフトで、在庫回転率を上げ、リユース事業の課題でもある、商品価値の目減りを解消。鋭い洞察力で安定した収益基盤の確保に成功し、嵜本は新たなチャレンジをしやすくする好循環を創り出した。矢継ぎ早の施策投入は、ワンマンでなければ出せないスピード感だが、同社はむしろ真逆。現場の声を重視するのがSOUの経営スタンスだ。

「自分の力はたかが知れています。人に頼るのが私の経営の仕方。適材適所で、その道のスペシャリストを的確に配置する。その判断や、企画、アイディア、消費者ニーズ等を考えるのが私のできること。幸い、人には恵まれているので、うまく回せています」と嵜本。この辺りは、プロで経験した個の能力の上限と個が結集し、チームとなることでさらなる力が引き出されることを身にしみて感じているがゆえのタクトの振り方なのかもしれない。

猛スピードで成長し、一気にマザーズ上場を果たしたSOU。もちろん、これは通過点に過ぎない。そもそも、これで安心する嵜本ではない。むしろ、一層気を引き締めながら、未来の構想をしっかりと頭に描く。「この先、思わぬ企業が競合としていきなり出てくることもありうるのが今の時代。当然まずは業界トップを目指していますが、常に進化していかないと埋もれていく。一方で、リユース市場にはまだまだ可能性がある。そこを追求していきたい」と嵜本は、力強く先を見据える。

リユース業界の頂点取りだけにとどまらない果てしなき野望

SOUが得意とするブランド品の分野は、リユース率が高いものの、それでも約10%。まだまだ伸びシロはある。それを推進するためには、社会全体の価値感を変えるようなインパクトも必要になってくる。「これまではモノを買って、使って、捨てるのが日本の消費サイクルでした。これからは、買って、使って、資産に変える。そんな世の中にしたい」(嵜本社長)。

野望実現への仕掛けは着々と進めている。潜在顧客開拓のために開発した資産管理アプリ「miney(マイニー)」は、商品画像と使用状況などから大よその買取価格を算出。さらに売り時をプッシュ通知で知らせる機能がある。ブランド品が押し入れに眠る消費者にとって、簡単にその価格推移が分かれば、売る気持ちにスイッチが入る可能性は高まる。メルカリの浸透などで、日本でも所有物を売ることへのハードルが下がっていることも追い風だ。

自分を“見限る”ことで辿り着いた社会人としての一つのクライマックス

感情に左右されず状況を冷静に見極める判断力、社会のニーズをくみ取る検知力、いいものはすぐ取り入れる実行力、優秀人材をひきつける人間力…この4つだけでも経営者としての嵜本は、十分な資質を備えているといえる。サッカーなら、ここにメンバーや監督との相性が絡んでくるが、トッププレイヤーならたいていは備えている。もしも嵜本が現役時代、泥臭くピッチで這いつくばっていれば、そこそこの成功は収めていたかもしれない。だが、それは嵜本が目指すJリーガーの姿ではなかった…。

社会人の原点、Jリーグ時代の経験は経営にも大いに役立っている

人生の大きな分岐点でスッパリと自分の“可能性”を見切った嵜本。社会人デビューでいきなり夢に近づき、同時に早い段階でその厳しさを痛感した。わずか3年のプロ生活。だが、その経験があったから今の成功がある。嵜本は心底そう思っている。

人生に敷かれたレールなどない。どう切り拓くかだけだ。「自分を信じろ!」。苦境に立つとそうやって檄を飛ばす人がいる。それも大事だが、本当の成功を手にするには、あえて“自分を見限る”ことも選択肢にある――。凡人には難しい判断だが、嵜本の成功プロセスは、現状から抜け出せず、悶々とする社会人の背を押すような、目からうろこの気づきを与えてくれる。

→前編→ガンバ大阪を解雇された男はなぜ、東証マザーズ上場社長になれたのか


<プロフィール> 嵜本晋輔
1982年、大阪府生まれ。関西大学第一高校時代、スカウトの目に留まり、卒業後、Jリーグ「ガンバ大阪」へ入団。佐川FCを経て引退後、父が経営するリサイクルショップでノウハウを学び、2007年にブランド買取専門店「なんぼや」を関西にてオープン。2009年に東京進出。2011年、株式会社SOUを設立し、同社代表取締役に就任。買取専門店「なんぼや」の他、「BRAND CONCIER」、BtoBオークション事業「STAR BUYERS AUCTION」、BtoC販売事業「ヴィンテージセレクトショップ ALLU(アリュー)」、「ブランドリセールショーZIPANG」、資産管理アプリ「miney(マイニー)」を展開するなど事業を拡大し、2018年3月22日、東証マザーズ上場を果たす。


【会社概要】
社名:株式会社SOU
設立:2011年12月28日
代表取締役社長:嵜本 晋輔
事業内容:ブランド・貴金属・骨董品等の買取及び販売
東京オフィス:〒108-0075 東京都港区港南1-2-70 品川シーズンテラス 28階
大阪オフィス:〒530-0011 大阪府大阪市北区大深町4-20 グランフロント大阪 タワーA 16階
URL:https://www.ai-sou.co.jp
資本金:2億5,560万円
従業員数:連結:383名 / 単体:321名(2017年8月末現在)
売上高    :連結:226億 / 単体:218億(2017年8月期)

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