インタビュー

無名から“専門家”になる方法

投稿日:2013年2月12日 / by

食べつくしたアイスの数

変態企業カメレオン ジョーカー福留氏
【評論家編】

経営者であり、コンビニアイス評論家でもあるジョーカー福留氏。世界初のコンビニアイス評論家・アイスマン福留はいかにして誕生したのか。高校卒業後、数々の職を経験した氏が、さまざまな体験からたどり着いた地点は、決して限られた人しかできない領域ではない。「どんな人でもチャンスはある。大事なのは願望でなく積極性」。厳しい労働市場の中にも、確実にチャンスが転がっていることを氏は身をもって示してくれている。

まずは「好き」を極めてみよう

カメレオンを経営する傍ら、正確には大半の時間を費やしているのは、実はもう一つの顔、コンビニアイス評論家・アイスマン福留としての活動。世界初のアイス専門家はどうやって誕生したのだろうか。

マイペースに生きる働き方福留氏 先ほどいろんな人がいていい、といいましたが、僕は好きなアイスクリームを極めてみたんです。別にお金もうけをしようということではなくて、アイスを食べまくって、評価して、それをネットなどで公開して、情報を共有する。もともと、食のレビューをやったり撮影の仕事をしたりしていたベースもあったので、それらの蓄積で、好きなことをカタチにして、勝手にアイスクリーム評論家を宣言し、リリースを流したら、取材依頼やメーカーからもお話が舞い込むようになりました。

簡単に評論家への道を語った福留氏だが、現実的にはどうなのか。凡人でも“第二のアイスクリーム評論家”への道はひらけるのか。

福留氏 一番大事なことは積極性です。「なれないかな…」と思っていてもなれません。絶対的でなくても自分の好きなことや得意なことを突き詰めて、それをカタチにしていくんです。待っていても何も起こりません。自分で動いて起こして、つかむんです。いまは、ネットを使うことで、自分を売り出すことが格段に簡単になっていますからね。考えているなら、その前にすぐに動いてください。

マイペースを貫く極意とは

規律やノルマ、他社動向など、自分らしく働くことを妨げる要因が景気の不透明感がぬぐえぬまま、年々増している。わが道を進むにしてもどうしても雑音が、耳から離れがたい状況にある。どうすれば、惑わされず、マイペースを貫けるのか。

福留氏 会社に所属しているなら、自分の会社の持ち味をしっかりと把握することじゃないでしょうか。どんな会社にも強みや社風は必ずあるはずで、それを分かった上で、自分の資質と照らし合わせ、どうふるまうか判断する。そうすることで個人としては、会社の中で居場所が明確になるだろうし、離れる判断もできる。会社自体も他社との比較でなく、自社のダメなところを客観的に判断し、どこで攻めるべきかを明確にする。そうすれば、社員への無用な圧力をかけることなく、やるべきことだけに集中すればよくなるので、勢いがつきやすくなると思います。

バカの感性で世の中をガンガン緩めたい

最後に「変態企業」の名に違わぬ柔軟性で、激動のビジネス界をユニークとユーモアで浮遊する福留氏にその野望を聞いてみた。

福留氏 大げさなことを言える規模ではないですが、会社としては新しい価値観を生んで、周りにも影響を与えられる企業になりたいとは思っています。週休3日制もわが社で実践していてほんとにすばらしいので、普及したらいいなと思っています。企業にとって、数字や売り上げも大事ですが、それに突き進んで上がる売り上げなんて、いつまでも続かない。だって社員が病気になっちゃいますもんね。わが社の強みは、バカの持つ感性とバイタリティー。その武器を使って、世の中をガンガンゆるめていきたいですね。

<経営者編はコチラ


アイスマン福留の拠点となるHP「コンビニアイスマニア」

アイスマン福留の拠点となるHP「コンビニアイスマニア」

▽コンビニアイス評論家・アイスマン福留の2013年アイスクリーム展望

コンビニPB製品が隆盛の1年に
総体的にはプレミアムアイスクリーム市場が盛り上がるでしょう。昨今、アイスクリームの流通ルートとして、コンビニの力が非常に強くなってきています。各店舗の競争が激化する中、コンビニがPBでオリジナルアイスを続々と出し、より個性的で魅力的な製品が、たくさん発売されるのではないでしょうか。そうした意味で、2013年は、有名なアイスメーカーのブランドがPB製品として流通し、その名前は、少し目立たなくなるかもしれません。逆に言えば、どこのメーカーの製品かを探る楽しみがあるといえるかもしれませんね。


<プロフィール>変態企業カメレオン代表。1973年、東京都足立区生まれ。高校卒業後、数多くの職を経て、27歳でIT業界に飛び込む。ホームページの受託制作を始め、2006年に起業。「妄想ライセンス」などバカグッズの企画制作や、先進バカ企業が集うイベント「青春! バカサミット」を主宰している。コンビニアイス評論家・アイスマン福留としても知られる。著書には「バカが武器」(扶桑社)がある。

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