インタビュー

経験を重ねることで、自分の道を探していこう

投稿日:2015年11月18日 / by

連載第7回は、伝えることとはどういうことか?を追求している、㈱自遊人の岩佐十良さんです。

自遊人

学生時代の経験が今をつくる

背景からお聞かせください
岩佐さんはどのような少年だったんでしょうか?

岩佐
真面目に勉強をするタイプではなかったね。中学、高校、大学と先生の言われたことをやるタイプではなかった。高校なんて、ほとんど行っていなかったからね(笑)パチンコをしたり映画を見たり、ね。自分のなかではこれがいいんだと勝手に思っていた。

それはかなりの(笑)

岩佐
でも、本当にこれって正しいのかなって考える子だったね。これってやって何の為になるんだろうとか、これってこれからやって何の意味があるんだろうとか。そういうこともあって、大学生の時、僕なりに考えた結論は、大学で勉強をすることよりも学園祭をしていた方が身になるんじゃないのかということだったね。今しかできないことだって思ってた。でも、今思えば勉強も大事だったなと思うんだけど(笑)

大学時代の話を詳しく聞かせてください

岩佐
ぼくは今48歳で大学時代が22歳でしょ。遠い昔のようでこのあいだのような過去なんだよね。今考えると、大学時代に考えていたのは何か面白いことをしたいなってことだったなぁ。これは世の中の人に何を伝えなきゃいけないとかっていう大上段に構えた話では決してなくてね。ちなみに、学園祭の委員長を僕がした年は過去最高の盛り上がりになったんですよ。要はそれをしたことで何が変わったかっていうと、人が来てむさび(武蔵野美術大学)ってすごいね!って、何ここ!って。そのときに、ものをつくるってこういうことかって感覚をおぼえたし、その面白味や楽しさを体感したことが今をつくってる。

若いときに、どのような所に琴線が震えたかは大事ですよね

岩佐
そう、そして、個人の作品の評価だけではなく、全体、組織としての場・空間が評価されるってことが大事だなぁと。で、そのときに勉強ができるとか運動ができるとかいうものではない、別の評価基準で評価されたっていう感じがあって、そういう物作りや場作りができる仕事がしたいと。だから、就職は決まっていたけど、自分で独立して自遊人を立ち上げた。
jiyujin-house

つまんない大人になるなよ?

将来が不安な大学生もいると思いますが

岩佐
為せば成る。大学生が自分の10年後の未来を考えるのは、無理だしおかしいと思う。わかんないもん。大学生だから若いからこそ出来ることがあって、こんなことしちゃったら将来どうなるんだろうって大学生が考えるのは間違いだと思っていて。今これをすることによって将来がーーーーとか考えるのもおかしい。やっていけば為せば成ると思うんだよね。だから、やりたいことをやればいい。無理だとかできるとか意味があるとかないとかそれをやることでこんなメリットがあるとかデメリットがあるとかそんなこと考える必要はなくて、どうでもよくて。やりたきゃやればいい。

大人から見たら、学生はそういう時代ですよね

岩佐
さらに言うと、お金のことを考えなくていいのは大学生だけだからね。社会人になったら時間に対してどのくらいの収入がーとか考えなきゃいけないんだよ。高校生とか大学生って今自分がしている勉強の時間に対して将来いくら返ってくるなんか誰も考えないし、友達と会ってるこの時間に対してとか、このバイトは将来、何の役に立つのかとかこの本が何の役に立つのかとか分からないじゃん。僕はそれが一番良いことだと思うんだよね。これは将来こういうことに役に立ってーーとか考えてるとつまんない大人になっちゃうぜ?って思う。収益をあげるとか、そんなことは学生の時はほんとどうでもよくて、自分のやりたいことをやってみることが一番だよ、って思うかな。今の若い子は、ぼくはあまり分かんないけど、将来を考えすぎなんじゃないかと思う。就職してその先どうするかっていうのを考えすぎなんじゃないのかなって。真面目にやることは大事だけど真面目すぎなんじゃないかって思うね。もっと自分で体験してみることが大事だよ。
温泉

自分で体験することの価値

自分で体験してみるーーー

岩佐
そう、「自分で」というのが大事なポイントだよね。今、他人の感想や情報を鵜呑みして自分で体験することを忘れている気がするね。良くも悪くも、他人が今なにをしてそれについてどんな感想を持ったかを知ってしまう時代になってしまった。検索すればすぐに情報が出てくるよね。でも、本当に大事なことは自分が体験すること。自分が体験したことによって、自分の感想がでること。これが一番大事なことだろうと思うよ。

次週は、岩佐十良後編。「伝える」ことのプロは、どのような目で世の中を、人を見ているんでしょうか。乞うご期待!!


岩佐氏
<プロフィール> 岩佐十良(いわさ とおる) 株式会社自遊人 代表取締役

1967東京生まれ 48歳
クリエイティブディレクター
新たなインタラクティブ・メディアの枠組みをつくるべく活動している。その対象は、雑誌、食品、温泉宿など多岐にわたるが、すべてに共通するのは「伝える」ということ。
事業はあくまで「伝えるための手段」であり、「米一粒がメディア」「そこにある風景そのものがメディア」という持論を持つ。2004年に、東京にあった会社を新潟・南魚沼に移転している。


山口氏
[著者情報]

氏名: 山口佳祐

所属: 中央大学法学部

「仕事とは何か?」という素朴な疑問のもと「地方で活躍する方々に会う」日本一周の旅を今年の夏に行う。人に影響を与えることを人生の目的とし、将来何をするか模索中の大学生。来年2月から3ヶ月間は世界一周の旅へ。
長崎日大高校~中央大学法学部2年
Twitter: @Naganichi54

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