インタビュー

週休3日制導入の理由とは

投稿日:2013年1月21日 / by

変態企業カメレオン ジョーカー福留氏
【経営者編】

アイス評論家としての顔も持つ

ジョーカー福留氏は、経営者であり、アイス評論家でもある。共通しているのは、自分の「やりたい」をカタチにしたこと。経営者としては週休3日制を導入し、評論家としては、アイスクリームを食べ尽くす。先行き不透明な経済情勢の中で、周囲に流されることなく、わが道をまっすぐに進む福留氏にワークスタイルついて聞いてみた。

週休3日制導入の理由とは

福留氏が代表を務める会社、変態企業カメレオンは、週休3日制。土日の休みに加え、週中日の水曜日が定休日となっている。年間で156日、4割以上が休日という計算になる。

福留氏 起業する前は、フリーで正直、仕事という感じじゃなかった。そんな中で、会社を自分でやれば、自分のやりたい形式でできる。会社員時代、一度真ん中に休みがあった時にすごく楽だったので、自分の会社ではそれを制度として導入しました。最長2日の勤務ですから、最高ですね。

“休み過ぎ”の弊害はないのか

休みが増えるということは、出勤日の負担が増えることにはならないのか。単純に労働時間が減るからといって、営利企業である以上、仕事量を減らすわけでも減るわけでもない。結果的に、出勤日に“長時間残業”になっていたら、あまり意味はないのではないか。

ここでみなが働いている福留氏 もともと制作系の業務ですから、仕事は遅くまでが多いです。週休3日とは関係ないですね。逆に2日働けば休みが来る、ということで、今まで以上にスタッフも頑張れるみたいです。もう週休3日じゃなきゃ無理、みたいな感じです。そもそも、昔は完全週休2日制が当たり前じゃなかったのが、いつからかそうなったわけでしょ。でも、売り上げが落ちたり、労働時間が伸びることもなくちゃんと帳尻は合わせられた。それと変わらないですよ。

会社のコンセプトを実現するために必要な制度

作業効率がよくなっている点では、導入効果ありといえるが、売り上げが増えていけば、当然もっと仕事量も増えていく。それでも週休3日制で大丈夫なのだろうか。

福留氏 もちろん、どうしようないときは休日出勤もゼロではないですが、基本、徹底しています。やはり“最長2日”ですから、頑張れますよね。あと、僕らの会社は、大きくないですし、その中で自分たちが楽しんでいける最低限の売り上げがあればいい、というスタンスですから。みんなに楽しんでもらう商品を作るのが僕たちの仕事。だから、作り出す側がくたびれていたら、面白い商品なんて作れない。その意味でも今後会社が大きくなったとしても週休3日制という部分にはこだわっていきたいと思っています。

今の世の中はバランスが崩れている

経営としては型破り。まるで他者の会社はお構いなしのゴーイングマイウェイ。一体に、よその会社についてはどう見ているのだろうか。

福留氏 僕はいろいろな会社のカタチがあっていいと思います。だから自分の会社は、良さが生きるように構築しています。でも今の世の中は、なにかバランスが崩れている気がします。人も企業もそれぞれが違った個性を持っているわけですけど、変な縛りのようなものがあって、それにがんじがらめになってきつくなってきている。言葉は悪いかもしれませんけど、いい加減な、これもアリ、みたいな企業が出てこないと、人も変な縛りの圧力にどんどん肩に力に入っちゃって、もっときつくなっていく。自殺者が増えているのもそうしたバランスが崩れた弊害じゃないかな、と僕は感じています。小さい会社ですが、せめてうちがそんな何か希望がもてるような企業のあり方を示すことができればな、という思いはありますね。

次回「評論家編」へ続く


<プロフィール>変態企業カメレオン代表。1973年、東京都足立区生まれ。高校卒業後、数多くの職を経て、27歳でIT業界に飛び込む。ホームページの受託制作を始め、2006年に起業。「妄想ライセンス」などバカグッズの企画制作や、先進バカ企業が集うイベント「青春! バカサミット」を主宰している。コンビニアイス評論家・アイスマン福留としても知られる。著書には「バカが武器」(扶桑社)がある。

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