インタビュー

ランサーズがリリースした“世界初”のチーム機能のすごさとは

投稿日:2013年12月18日 / by
インタビューに答える木下氏

企画責任者の木下氏

ランサーズマイチームとは

クラウドソーシングサイト「ランサーズ」を運営するランサーズ(株)(本社:東京都渋谷区、代表取締役:秋好陽介)が、チームによる案件の依頼・受注を可能にする「ランサーズマイチーム」の提供を開始した。スキルのある“個人”向けの仕事発注がメインのクラウドソーシングに新たに加わる「チーム」というスタイル。世界初の機能を搭載した新サービスによって、働き方にどんな変化が起こるのか。企画責任者を直撃した――。


ランサーズ上で簡単にチームをつくる機能

「ランサーズマイチーム」は、ランサーズ上で簡単にチームをつくれる機能だ。そう言ってもあまりピンとこないかもしれない。イメージしやすいよう、ランサーズが無限に広がるワークスペースと仮定する。そこでは、プログラマー、デザイナー、ライター、WEBディレクター…など、スキルを持った多様なフリーランサーが22万人以上働いている。しかも、全員が自分のスキル、場合によってはスキルレベル等も掲げている。この中から、自分の作りたいチームのメンバーを選抜できるのだ。

チーム機能のメリットとは

例えば、「iPhoneアプリを丸ごとつくる」という案件に対応したければ、そこをゴールに発起人となるリーダーがチーム編成していけばいい。プログラマー、デザイナー、ライター…などリーダーは、必要人員をサイト上に公開されているプロフィールを元に選んでいく。チームは招待制で、全く知らない人にもオファーは可能だ。もちろん、相手が応じてくれるかは分からない。招待に応じてもらえるかは、リーダーの提案の仕方や、ランサーズ上での評価などが影響するかもしれない。とにかく、チームを結成することで、各メンバーは個人では受けられなかった複雑な案件や大規模な案件も受けられるようになる。

ランサーズマイチーム

マイチームページ上でメンバーを管理

あるチームはライターが音頭をとり、デザイナー、プログラマー、さらに営業などに呼びかけ、WEBサイト作成チームを結成している。ライターだけなら到底受けられない案件を、自らがチームリーダーとなり、足りない部分を補完。より大きな案件を受けられるチームをつくりだすことで、潜在需要の掘り起こしにつなげる狙いだ。デザイナーやプログラマーにとっては、コミュニケーション能力に長けるリーダーがいることで、これまで取りこぼしていたような案件にたどり着く機会が増すことにもなる。

「ランサーズにおいて、案件と受ける側は1対1がベース。ですが、それでは受けられる仕事に限界がある。ランサーからもそうした案件に対応できないかというニーズもありました。そうした中で、構想としてはずっとあったものがようやくリリースできたということです。ポイントは3つ。(1)チーム制により受けられる仕事の幅が大幅に広がる。(2)チームリーダーが要件定義や作業分割、ディレクションを引き受けてくれるので、発注側の発注の敷居が下がる。(3)支払についてもリーダーに一括ではなく、各チームメンバーにランサーズが支払うのでトラブルがない。当面はチームをどんどん増やし、チームで仕事を進めやすくする機能を拡充し、チームでの仕事実績をあげていくことが目標になります」と企画責任者の木下慶氏は解説する。

群衆の叡智を活用するクラウドソーシングは、誰もが個人レベルで簡単に仕事にコンタクトできるメリットがある反面、物理的な限界から案件内容や規模が限られ、発注側にとっても個人への発注という信頼面での不安から発注控えが発生するというデメリットがあった。チームになることでこれら2つはクリアされ、さらにチームゆえに問題となりがちな支払システムも、ランサーズが世界で初めて各メンバーに分配可能とするシステムを搭載したことで、見事に解決されている。

チーム機能投入で無限に広がる可能性

lancers-team2クラウドソーシングの新たなステージといえるチーム機能の投入。案件受注が、個人からチームになるだけだが、そのインパクトは、クラウドソーシングの景色をガラリと変える可能性を秘める。基本となるのは、企業が発注しやすくなることによる仕事の流通量の増加だ。チームとして提案が可能になることにより、案件を能動的に出せ、潜在ニーズや新規案件の開拓につなげられる道も開ける。そしてなにより、この機能によって、これまではフリーランスになることに二の足を踏んでいた層が、一気に流れ込んでくる可能性がでてくる。

企業の利用が増大し、受注側からの提案が可能になることで、仕事の流通量が増え、クオリティも上がる。これまでクララウドソーシングには出なかったような多様なスキルが求められたり、規模が大きい案件が発生し、クラウドソーシングが秘める潜在力がさらに引き出されることにもなる。人材面でも、変化が起こる。いわゆるスキルはないが、コミュニケーション能力や企画力に長けた人材のチームリーダーとして流入だ。チームが、その実績によって、企業へと発展する可能性も出てくるかもしれない。国内外の大型プロジェクトに対応するプロジェクトメンバーが、ランサーズの最強チームとして結成され、対応するケースもいずれ出てくるだろう。別の視点では、企業が研修の場として、若手チームを送り込み、修練のために活用するケースもあるだろう。

いずれにせよ、急拡大するクラウドソーシングが、個人に加え、「チーム」でも可能になることで、その市場は大きく変わる。同社では、チーム運営を円滑する機能を随時追加しながら、認知向上を図り、来年中に1万チームの誕生を目指す。

ランサーズマイチーム:http://www.lancers.jp/landing_page/myteam

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